医学・医学部との一番の違いは、歴史の違いです。 医学の歴史は、パスツールやコッホが、病気の原因が細菌など微生物にあることを発見した19世紀以降のことです。 それまでは、血を抜いたり呪術に頼ったりということが普通でしたが、歯学には、4千年以上に及ぶ長い歴史があります。 エジプトでは歯にたまった膿を取り除いたり、抜歯したりする医療が行われ、歯を抜いた後にブリッジをするような技術もありました。紀元前2~3世紀の古代ローマ時代には、インプラントの原型とも言えるものが発見されています。 日本でも抜歯などの治療法は早くから発達し、世界最古の総入れ歯(木床義歯)は16世紀に日本で作られています。義歯を作るには、あごの動き(運動)がどうなっているかがわからなければなりません。そういう知識も蓄えながら現代につながる長い歴史を持っているのが歯学です。 歯学がそういう独自の歴史を持っているのは、身体の他の器官や臓器と違い、自然治癒が期待できないこと、痛みが耐えられないものであったからです。近代歯学は、アメリカのボルチモア歯科医学校に始まると言われていますが、それらが明治維新と同時に日本に入り、その後欧米と競うようなかたちで発展していったのです。 もう一つの違いは、学問の基盤の違いです。歯学部で学ぶ生理学や解剖学など、生命科学の基礎的部分は医学と同じですが、テクノロジー(工学技術)やマテリアル(材料)が重視されていることで、歯や義歯を削ったり、磨いたりすること、それらにどんな材料が適しているのかを知ることが歯学では非常に重要だからです。 歯学は、こういう点で、再生医学・再建医学などの医学分野、分子生物学・メカノバイオロジーなどのバイオサイエンス分野、加工学(切削・研削)・ナノ工学・バイオメカニクスなどの工学分野、バイオマテリアルなどのマテリアルサイエンスを基盤とした応用科学(Applied Science)と言えると思います。 悪くなった部分を削ったり、なくなってしまったものを再建したりするには、道具が必要であり、加工しやすく丈夫で長持ちする歯を作るには、優れた特性を持つ材料の開発が必要です。こうした知識が必要なのが歯学という学問の特色と言っていいと思います。
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