解決済み
弁護士が増えすぎているとよく聞きます。 ではなぜ新司法試験の合格率が低いのが問題になっているのでしょうか。 教えて下さい。
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それは国は当初、 新司法試験は受験資格を得るのを非常に難しくし かつ受験回数も3回に制限すると言いました。 その代わり受験資格さえ得れば合格率は8割にすると言っていたのです。 にもかかわらず合格率が2割しかなくなったからです。 これでは踏んだり蹴ったりですからね。 国家的詐欺だとも言われています。 とにかく司法試験は受験資格を得るのが大変です。 原則、7年間勉強して卒業率1~4割を突破し法務博士の学位を取得するか、 または合格率1%台の予備試験に合格しないと受験資格が得られません。 しかも、例え得られてもたったの3回しか受験できませんからね。 すなわち実際は 「法科大学院に進めても司法試験の合格率が2割しかない」 っていうわけではないんですよね。 現実はもっと厳しく、それ以前の大きな問題があるんです。 現状では 「法科大学院に進学しても、司法試験の受験資格を得られるのが2割しかない」 という場合もあり精神的に参ってしまい自殺者や自殺未遂者がいます。 場合によっては、 「法科大学院に進学しても、卒業できるのは1割しかいない」 場合もあるのです。 とにかく大学院における単位認定が厳しすぎます。 さらに卒業要件もです。 皆毎日必死に勉強して、もちろん勉強以外にはほとんど何も出来ず、 日曜も朝から晩まで自習室です。 それなのに3年コースの卒業率が1割しかないところもありますし、 1年から2年への進級率も2割台という場合すらあります。 授業料が年200万弱かかる上に留年も制限回数があり、 結局脱落してしまうという人が少なくありません。 (身近にも実際にそれで今年脱落する人がおります) それに卒業要件は年々厳しくなってきており 例え全科目の単位を取得していたとしても、1年時の成績が良くなくて 卒業できないという人が少なくありません。 さらに問題は、たとえ卒業できてもそれからも大変なところです。 つまり 「法科大学院卒業者の中で司法試験に合格できるのが2割」 ですらないというところです。 「卒業者のうち受験するのが2割しかいない」という場合もありえます。 すなわち、受験回数の制限です。 3回しか受験できないというところです。 そのため卒業できて受験資格を得た人でも、 貴重な3回のうちの1回を無駄に使わないようにと 卒業後さらに1年や2年勉強してから受けるという人が多いため、 すぐには司法試験の願書を出さない人がかなりいます。 さらに、例え受けると決めて願書を出したとしても、 当日、受けるのをやめてしまう人が大勢います。 去年も8000人台が受験しましたが、約3000人もの人が、 願書は出したのに当日受験するのをやめてしまいました。 このため表面上だけを見て、 「大学院を卒業さえしたら次の司法試験に2割の確率で合格できる」 と思ってしまう人が大勢いるのです。 実際は 「法科大学院に進学しても受験資格を得られるのが2割しかいない」 場合があるのはもちろん、 「受験資格を得た人のうちすぐに司法試験の願書を出す人は2割しかいない」 場合がありますし、 「願書を出しても当日に受験するのをやめてしまう人が4人に1人もいる」 という現実も問題で、 さらには 「例え受験したとしても2割しか合格できない」 ところももちろん問題です。(ここしか着目しない人が多いですが。) また、 「その中には大学院に6年在籍し、卒業後受験して合格した人がいる」 ことも問題です。この方も新卒扱いです。 卒業後一度目の受験で合格できた、ということになります。 もちろん、大学で4年、大学院受験に2年かけ、大学院に6年在籍し、 卒業後5年後に司法試験に合格する人もおります。 彼らも含めて2割なのです。 ですからある大学院出身者の司法試験合格率が50%でも内実は 入学した100人のうち3年後に卒業した人が10人、 そのうち司法試験を受け控えしなかった人が8人、 そのうち出願した人が6人、 そのうち試験を受けた人が3人、 そのうち受かった人が1人だとしても 司法試験合格率は50%と出ることもあります。 (6年間大学院に在籍して卒業後5年後に受験した人が1人合格していたら その人もカウントされるため) さらに卒業後、弁護士になるまでの約2年間はバイトが無理ゆえ生活費は借金とかです。 ですからとりあえずは 受験回数だけでも撤廃して欲しいですね。 3回失敗したらアウトなので 毎年受け控えする人が大量に出ますし その人数は年々増加しています。 さらに失敗した時の受け皿がないことも問題です。 院生の中にはこれらの現状を知らずに入学してくるものが後を絶たず 脱落者が多いです。 ですからこれらの問題をクリアーしなければ 「合格率が2割しかない」という議論は的外れなものとなってしまいます。 なぜなら 合格率が改善されて例え合格率が5割になったとしても 以上のことが改善されない限り 「大学で4年、大学院入試で2年、大学院で3年勉強しても 受験資格を得られるのが1%しかいない」 では意味がありませんからね。 ますます自殺者は増え法律家志望者は減ってしまいます。
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