解決済み
会社の就業規則(退職金規定)が途中から知らない間に変更になってました。 他の方の知恵袋を拝見させて頂いたら、一定の条件下では有効になるようなのですが、仮に有効となる場合、その規定は変更時からの適用なのか、遡及効が発生してしまうのでしょうか? 宜しくお願いします。
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退職金は法令で義務付けられたものではなく、たとえ慣行化していても、労働者が支給をあてにして老後の生活設計をしていても、それだけでは労基法上の賃金とはいえません。支給条件が明確でなければ、単にそのときの状況で恩恵的に支払ってきただけでは、使用者に支払い義務が生じているとはいえません。 しかし、労働協約や就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確に定められていれば、使用者には労働者に退職金を支給する義務が生じています。使用者の一方的な任意的、恩恵的な給付ではなく、明確に支給条件が定められていれば、契約上の支払い義務が生じる性格のものと考えねばなりません。 就業規則の不利益変更には労働者との合意を原則としますが、合意なく変更することも可能です。が、そのためには変更後の就業規則を周知することと、就業規則の変更が合理的であることが問われます。 組合が同意しない場合(組合が存在しない場合)或いは非組合員の場合は就業規則の不利益変更の手法によることになります。 その前提問題として、少なくとも既に在籍していた期間に相当する退職金部分は既発生の債権であり、就業規則の不利益変更の法理の適用はできないと主張されることがあります。しかし、退職金は継続的な雇用関係の終了を原因として労働者に支給される一時金であり、雇用関係が終了した時点で発生すると解されていますので(アスカ事件)、在籍部分相当分が既発生の権利とはいえません。 そこで就業規則による退職金の不利益変更ですが、その効力は企業の変更の必要性、変更の内容の不利益の程度、相当性などによってその「合理性」が判定されるわけです。 合理性判断には 1)労働者の受ける不利益の程度 2)変更後の就業規則の内容の相当性 3)労働条件の変更の必要性 4)労働組合等との交渉の状況 の要素が必要です。 大曲市農協事件の判例にあるように、退職金の切り下げ措置はその必要性がきわめて差し迫ったもので、公正中立な第三者から見ても十分納得がいくだけの緊急性があり、減額幅も妥当な範囲におさまっており、労働者の打撃の程度がそれほど大きくない場合ですと、就業規則の変更のような一方的措置で実現することが可能であると考えられます。 新潟鐵工所管財人事件では退職金80パーセント減とした就業規則の変更について、「本件変更は、労働契約本質部分に関する重大な変更であるが、原告らの不利益は、既得権化されたものの侵害とはいえず、かつ、本件変更がなければ破産にいたり本件退職金の実現の支払は期待できなかったという本件の特殊な状況の下では実質的に見て大きなものとはいえず、他方、変更の必要性は高度なものがあり、その内容は合理的で変更に至る手続も相当なものといえるから、本件変更による不利益を法的に受忍させることもやむを得ない程度の高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであると認められるのが相当である」としています。
その就業規則変更の実行基準日が示されているはずです
有効となるのは、労働者に周知するような状態になった時点です。 就業規則届け出(10人以上労働者がいれば)には、労組や労働者代表などの意見が必要です。 変更作成したとしても、労働者にそれを周知しようとした行動を会社がしていなかった場合には、その就業規則の内容は効力がない場合もあります。 個別の労働問題では、この部分が論点になる場合もあります。
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