>道府県(知事、議会)は警察にたいして、実際どれくらいの権限があるのでしょう? →特に何の権限もありません。 今の日本の警察制度は国家警察でもないし自治体警察でもない、よく分からない謎の組織となっています。 なぜなら、都道府県警察に対して命令を出したり、捜査の指揮を取ったりするのは警察庁(政府の行政機関)です。都道府県知事および都道府県公安委員会は、都道府県警察に対して具体的な指示や命令を出すことはできません。 しかし、予算は都道府県から出ます。警察官の給料も、警察本部や警察署などの庁舎の管理費も、都道府県が出します。つまり、日本の警察制度は「命令を出すのは政府、金を出すのは都道府県」という他の公的機関では見られない仕組みになっているのです。 警察幹部についても、警察庁に所属するキャリア組の国家公務員(警察官僚)が都道府県警察に出向し、幹部になります。都道府県警察に所属する、ノンキャリアの警察官が幹部に就任する例は、ごく一部(警視庁捜査一課長など)を除いてほぼほぼありません。 だから国家警察ともいえないし、自治体警察ともいえないのです。 実際、階級を見てみるとその異常さが分かります。警察官は、巡査〜警視までは地方公務員、警視正〜警視総監が国家公務員です。例えば、初めは巡査からスタートした地方公務員の警察官も、昇任して警視正になれば自動的に国家公務員に変更されます。こんなシステムになっているのは警察だけです。 これの何が問題なのかというと、警察が不祥事を起こした時の責任の所在が曖昧になるからです。 例えば警察官が犯罪を犯して逮捕された、間違った人を逮捕した、冤罪を起こした、不祥事を隠蔽したなどの不祥事が起きた際に、誰が責任を取るのか分かりません。警察本部長が悪いのか?しかし、警察本部長は警察庁から出向してきた国家公務員であり、都道府県警察に所属しているわけではありません。では都道府県知事が悪いのか?しかし、都道府県知事は予算を出しているだけであり、命令を下してはいません。 そういうわけで、警察が不祥事を起こしても誰も責任を取らず、結局また同じことを繰り返すのです。 私も「国家警察を作るべき」とか「今の都道府県警察は完全な自治体警察とすべき」と主張しているのですが、あまり賛成してくれる人はいません。 そういう人たちは上記で述べた問題点を知ろうともせず、「今の都道府県警察で何も問題は起きていない」と思い込んでいるのです。
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