航空自衛隊の領空侵犯措置について質問です。

Question

航空自衛隊の領空侵犯措置について質問です。正当防衛や緊急避難でしか武器使用できなくしかも打たれた戦闘機にしか打ち返す権利がないとの話をよく聞きますが、仮に相手の領空侵犯機の最初の攻撃を回避して打ち返し、相手を撃墜して相手のパイロットが脱出してその後、海上保安庁に拾い上げられたとします。

平時においては戦時国際法は、適応されないと思うので殺人未遂に問われたりしますか？

補足

自衛隊機に対し発砲した相手のパイロットはどうなりますか？

Answer 1

まず自衛隊の対領空侵犯措置は自衛隊法84条「防衛大臣は、外国の航空機が国際法規又は航空法その他の法令の規定に違反してわが国の領域の上空に侵入したときは、自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。 」を根拠として行動し、この「必要な措置」という言葉が実弾使用も含まれていると政府は回答しています。

スクランブル機が実弾を装備出来るのは自衛隊法87条「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」を根拠としています。

そして敵航空機が撃ってきた後の行動ですが質問者様が勘違いなさっていますが、本人以外も撃ち返す事は可能です。
実際に刑法36条正当防衛で複数人が発砲したケースであれば九州南西海域工作船事件で巡視船が攻撃され、複数の隊員が被弾して負傷しましたが当然ながら正当防衛行動が発令されて撃たれた本人以外の隊員が機銃や小銃を発砲して不審船に攻撃を行いましたが、本件は警察官職務執行法第7条を準用した海上保安庁法によって正当性が認められています。
本件の根拠は正当防衛を構成している刑法36条は「1.急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」
と規定されているので「他人」を守る為に行った行動は罰せられません。

上記ゆえに領空侵犯機が攻撃してきた場合に複数機が連携して反撃を行い敵機を撃墜する事は戦闘機やミサイル等で攻撃されている状況である以上、「急迫不正の侵害」に十分該当しますので何ら問題がありません。
最近の議論では敵に攻撃されずともロックオンされた場合も「急迫不正の侵害」に該当し危害射撃を加える事は2012年12月6日、衆議院・安全保障委員会での中島明彦防衛省運用企画局長の発言からも認められています。ただ「可能」というだけの事ですので、以前あった中国海軍のレーダー照射事件のように本当にされたら反撃するかどうかは現場の判断に大きく委ねられています。

防衛出動であれば当然ながら戦時国際法及び自衛隊法88条によって攻撃が保証されていますが、本件は平時であるものの上記の通り刑法36条に基づいての行動ですので殺人未遂には問われません。

相手のパイロットは戦争状態で自衛隊が防衛出動をしていれば捕虜として戦時国際法に則った待遇を受ける権利がありますが、質問者様がおっしゃる通り平時での事態なのでまず日本の国内法で裁かれますので検察が本気を出せば如何様にも出来ます。
不法入国、武器の密輸行為、危険物・爆発物取締法違反、航空法違反、殺人未遂etcで起訴可能ですが、実際は起訴後に国外退去命令を出して相手国に有利な形で迫りつつ送還します。実際ソ連やアメリカでも過去に領空侵犯パイロットに対し行った手法です。

Answer 2

35条正当行為
36条正当防衛
37条緊急避難

であれば罪に問われません。ちなみに警察が逃走する犯人に射撃するのは公務執行妨害の抑止として実施されるため、少し勝手が違います。

当然警告を無視して侵犯したらこれに相当します。