有給の買い取りは何故違法なのですか? 労働基準法上、たとえアルバイト身分の者であっても有給の支給は義務化されています。

Question

有給の買い取りは何故違法なのですか?
労働基準法上、たとえアルバイト身分の者であっても有給の支給は義務化されています。なので、アルバイト従事者に有給を支給していない会社は労働基準法に違反していることになります。
一方で、労働基準法に従ってアルバイト従事者に有給を支給していても、人手不足や繁忙期であることなどを理由にアルバイト従事者の有給使用に難色を示して使用を認めないという企業も多く在ります （ しかし、正社員や準社員の有給使用は人手不足や繁忙期であっても普通に認める ） 。
例えば、私の勤め先ではアルバイト従事者にも有給は支給されます。
しかし、使用が認められているアルバイト従事者は社員を凌ぐような実績をあげている者のみであり、並以下の実績に留まっているアルバイト従事者は使用禁止となっています。
結局、労働基準法に従ってアルバイト従事者への有給の支給を実施していても、実質的に使用することが出来ない （ 使用が認められない ） アルバイト従事者は、退職時まで有給を全く利用することができず、せっかく支給された有給を全て無駄にすることになります。
勤務した期間などにもよりますが、人によっては普段支給されている給与の1～2ヶ月分に相当するという人も居るはずです。
使用できなければ、本来なら獲得できるはずの給与が入らないわけです。
支給されている以上、自由に使用できるべきです。
使用できないのであれば、買い取りを合法化するべきだと考えます。
如何思われますか?

Answer 1

有給休暇の買い取りが認められていないのは、法的に労働者の健康を維持するため、体を仕事からか解放しリフレッシュさせるために強制的に休める仕組みを作ったためだからです。

休む事を目的としているため、会社にはその有給休暇を取得する事に対し拒否をする権限を与えていません。

有給休暇を取るために理由が必要とされていないのもそのためだからです。

買い取りを認めてしまうと、お金をだせば休ませなくても良いという事で本来の目的から外れてしまうためです。

但し、退職時に限っては、会社と労働者との間で合意があれば買い取りも合法とされています。これは、退職により有給休暇が消化できないことがあるからです。

有給休暇は会社に消化を拒否する権限がないという事です。
あるのは時季変更権だけです。

労働基準法第39条５項
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

Answer 2

有給休暇の趣旨は他の回答者様が記載している通りです。
その為、買い取りは本来に趣旨に反する行為として禁止されているわけです。
労基法39条の法理は、有給休暇は、労働者が時季を定めて請求し、事業者は業務の正常な運営に支障をきたす場合、時季変更権を行使できる。有給休暇使用に際し、承認・承諾・理由は必要としない。この様に判例が出ていますから、上司や事業者が有給休暇を使用させないと言っても（拒否権はありません。）、請求した日に休めばいい事です。その休みを不利益な扱いをすれば労基法に抵触します。
事業者が、取らせないと言ったから使用しなかったでは、労働者自らが使用しなかったと判断されます。アルバイト従業員が上司から取らせないと言われれば、それを無視して取る事は非常に勇気のいる事です。本来の有給休暇の趣旨を理解して、だれでも自由に使用できる環境を作る事も事業者に課せられた使命です。
また、有給休暇は事業者が労働者に与えるものではありません。労基法39条の要件を満たせば全ての労働者に付与されるものです。この事を履き違えて、アルバイトには有給休暇を与えない等と、訳の分からない事を言う事業者もいますが大きな間違いです。