会社から「学業を優先するなら退職して貰う」と言われました。 大学院入試に際し、上司に推薦状の作成を依頼したところ、…

Question

会社から「学業を優先するなら退職して貰う」と言われました。

大学院入試に際し、上司に推薦状の作成を依頼したところ、
人事部から「学業を優先するなら退職して貰う」と言われました。その際、上司を通じて常に業務を優先する旨を伝え、平日夜は受講しないことを条件に入試の許可を貰いました。
そこで疑問なのですが、学業(働きながら大学院へ通学等)を理由に従業員を退職させるケースは法的にあるのでしょうか。
もしくは社内規定などを理由に退職させることは可能でしょうか。
なお、新卒で今の会社に勤めて7年になります。

突飛な質問で恐縮ですが、ご教示頂きたくお願い致します。

補足

今は入試の結果待ちですが、そういうものなんですね。
貴重なご意見有難うございます。

Answer 1

退職は本人の意思でするものですから、この場合は「解雇することが可能か」という話になります。

守秘義務等で問題が無い限り「学業を理由に」解雇することはできませんが、学業に力をいれることにより、「勤務状況が不良」になったり「勤務成績や業務能率が不良」になったら、そのことを理由に解雇できます。原則就業規則に定めが無ければなりませんが、たいていはそのような理由が書かれていると思いますし、万が一書かれていなくても、「その他これらに準ずるやむを得ない事由」等の包括規定があればそれでよいと考えられています。

反対に、会社の業務にたいした影響を与えていないのに入学したことだけを理由に解雇した場合は解雇権の濫用とみなされる可能性が高いです。

なお
「法的にあるのでしょうか」
と言う質問ですが、法律には具体的にこういう場合は解雇してよいなどと書いた法律はありません。
労働契約法に以下のように定められているだけです。

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

上の回答も、裁判になったら客観的に合理的で社会通念上相当であると考えられるかどうかという予想で答えています。

なお、判例では、大学の職員が大学に無届で他の大学の大学院に在籍し、病気休職をして修士論文を作成していた等で兼業禁止規定に違反する等の理由で懲戒解雇された事件があり、その際は「大学院入学は職業に従事するわけでは無いので兼業には当たらない」、また「通学の際は年次有給休暇を使用していた」「授業への出席が必須とされていなかった」等から職務遂行に支障をきたしていたとまでは認められない、また病気休職の件も「診断書もあり懲戒解雇事由までには当たらない」とされて懲戒解雇無効とされています（平成１９年大阪地裁判決、大阪法律経済学園事件）。懲戒解雇なので普通解雇の場合よりは解雇有効とするハードルが上げられていることはあるとは思います。

Answer 2

多くの会社の就業規則に副業禁止規定があります。
これは自社の給料の他に収入を得てはいけないと解されることが多いですが、本来は健康な状態で労務を提供することが出来なくなるのを防ぐためです。

同様の趣旨から大学院に行けば勉強やレポートに追われ充分な休養がとれず業務に支障が出ている、正当な時間外労働の命令を授業のために拒否するなどがあれば、会社は何らかの対処をせざるを得ません。

実際に解雇となれば個別に司法判断になりますが、業務に支障が出ており改善の可能性が低いとなれば解雇が認められることは無いとは言い切れません。

Answer 3

院に通う事は個人的な事で、サラリーマンは給料を貰う以上、業務優先は当然です。
業務に必要な資格取得の為の資格学校でも同様なんです。
資格はあくまでも個人のものだからです。

学業を優先するという事は、給料を頂いているのにも関わらず業務を遂行しない事になりますので、十分解雇に値します。

学業を持ち込まない約束をしたのであれば、約束を守り、仕事を優先してきちんとしていれば気にする必要はないのでは？
学業が相当おろそかになるのは確実ですが、サラリーマンを継続しながらという選択をした以上それは仕方ないと思います。