解決済み
転籍には、労働者の個別的な同意が必要です。 この個別的同意なしに転籍を命じ、労働者がこれを拒否したことを理由に解雇など不利益な取り扱いをすることは許されません(判例/転籍を拒否した労働者に対する整理解雇を無効とした千代田化工建設事件・最高裁判決平6.12.20)。 一方、入社案内や面接時の説明で、転籍先が勤務地の一つとして明示され、労働者がこれに異議なく応じる旨を応答していた場合には、包括的な同意があるとして、個別・具体的な合意がない転籍命令を認めた判例(日立精機事件・東京高裁昭63.4.27)もあります。 したがって、入社(労働契約締結)時にはっきりと将来の転籍が示され、これに応じる旨を表明していたなどの特別な事情がない限りは、具体的・個別的な同意のない転籍に応じる義務はないことになります。当然ながら、転籍に応じないことが解雇の理由となるわけではありません。 転籍を拒否すれば解雇すると強要され、やむなく転籍に同意したとしても、上記のとおりそのような措置は法的には認められていませんので、強迫または詐欺を理由に転籍の意思表示を取り消すことができます(民法96条) 転籍の法的性格は、転籍先との新労働契約締結を停止条件とした転籍元との合意解約と考えられています。このため、転籍先との労働契約が締結できなければ、条件が成就しないこととなり、転籍元との合意解約も無効となります。 ただし、労働者がいったん転籍に応じたものの、転籍先への就労が嫌になったために転籍先との労働契約締結を故意に妨害したケースでは、条件成就とみなされ転籍は有効に成立することになります(民法130条)。 私は会社の人事担当(親会社側)をしていましたが、転籍対象者には個別に面談の機会を設け、現在の会社(転籍元)の退職と転籍先での待遇について説明を行い、転籍同意書を取得していました。 半強制的といえなくもないのですが、転籍を命じた背景も丁寧に説明して同意を得る努力をしました。
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