地方自治法で「行政の仕事を単独の自治体でできない時は、複数の自治体で協力してやっていいよ」って決まりがあります。これを「一部事務組合」といいます。 例えばA市には消防署の警防隊2隊と救急隊1隊を運用できる能力があり、B市には警防隊1隊を運用できる能力がある。ところが、隣接するC村には警防隊1隊を運用する能力がない。そのため、消防団しかない… となると、火災などに対応できる能力が低くなります。 そこで、それぞれの自治体が機材やお金を出し合って、3つの自治体を消防に関しては1つの自治体とみなして行政を行いますってことなんです。 一部事務組合は、消防だけのものではありません。 上下水道、環境衛生(ゴミ収集や焼却、し尿(糞尿の収集処理)、学校、病院…ですね。 学校で「〇〇市立〇〇高校」ではなく「公立〇〇高校」みたいな名前のところあるでしょ?あれも、一部事務組合で運営してるんです。 名前の付け方はいろいろです。 例えば、組合に加盟する自治体の地域が、昔(それこそ明治など)に「山本郡」だったとしたら「山本地区広域消防事務組合消防本部」とか、あっさりと「山本地区消防本部」としたりします。 変わったのなら、大阪府にある「柏原羽曳野藤井寺消防組合消防本部」です。加盟している自治体の名前を並べてます。長いから、大阪府内などでは「柏羽藤(かしわふじ、かしはふじ)消防」とよんだりします。 名前の付け方にルールがないので、どうつけようと買ってといえばそうなんですが、いろいろ事情があるんですよ。 比較的大きな消防に小さな消防がくっつくと、どうしても大きな本部の方が社会的認知度がありますから、そっちの方がいいんです。 例えば、京都市消防局と久御山町消防本部がくっつくと「京都市消防局」の方がわかりやすくなります。 そうなると、久御山町は「うちの町から消防が消えるのか?」という意見が必ずといっていいほど出てきます。 そこで、上に書いた旧郡名や、社会的認知度のある地名(北アルプス広域消防本部、)などにしたりします。 名称は、消防だけの一部事務組合なら「〇〇地区消防組合消防本部」でいいのですが、消防だけでなく、水道や環境衛生なども一緒にやってるところがあります。その場合は「消防組合」ではなく、例えば「奥能登広域圏事務組合消防本部」みたいな名前になります。 「そんな面倒なことするなら、自治体を合併すればいいのに」と思うでしょうね。 となると、新しい市の長は誰がやるの?ってことになります。 4つの市町がくっつけば3人は首長でなくなります。「新しい市の副市長にすればいいだろう」となると、今の副市長や助役はどうなるの?ってなります。 椅子にしがみつきたい人がいるんで、大変なんですよ。
さあ。 名前に長いも短いも無い。 好みでは。
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