国立大学の医学部保健学科看護学専攻、1回生の学生です。 貧血症状と看護師の適性について質問です。 私はこの…

Question

国立大学の医学部保健学科看護学専攻、1回生の学生です。

貧血症状と看護師の適性について質問です。

私はこの4月 大学で健康診断の一環で採血を受けました。採血の途中で段々と気分が悪くなり、冷汗をかきはじめました。視界もぼやけ、フラフラとした感覚もおぼえました。
以前採血をした際も、気分が悪くなり 途中からベットに横たわらせてもらった経験があります。ですから 今回も多少の不安があったのですが、体調もよかったため「今回はきっと大丈夫だろう。」と考えてしまい 座ったまま採血を受けました。（やはり案の定 気分が悪くなり途中からベットに移動しましたが…。）

友人から採血による貧血は精神的なものであると聞きました。本当にそうなのでしょうか？また、もしそうならばどのようにしたら克服できるのかアドバイスをいただきたいです。

また、大学での専門科目の講義を受けている時にも貧血のような症状になることがあります。臓器等の内容のときです。無意識ではありますが 体内の写真に過剰に反応し気分が悪くなってしまっているのだと思います。前回の講義ではどうしても座っているのが辛くなり、教室の外にあるソファーで横になり 少し休ませてもらいました。

私は看護師にむいていないのでしょうか？このままでは、臨床の現場で通用するのか不安です。

看護師になりたい。看護師として患者さんを支え、笑顔を届けられるような存在になりたい。という思いは人一倍あります。それだけに、身体の反応が気がかりです…。

どなたかアドバイスいただけると幸いです。よろしくお願いします。

Answer 1

質問には以下の症状が明記されています。
１⃣ 健康診断の一環で採血を受けました。採血の途中で段々と気分が悪くなり、冷汗をかきはじめました。視界もぼやけ、フラフラとした感覚もおぼえました。
以前採血をした際も、気分が悪くなり 途中からベットに横たわらせてもらった経験があります。ですから 今回も多少の不安があったのですが、体調もよかったため「今回はきっと大丈夫だろう。」と考えてしまい 座ったまま採血を受けました。（やはり案の定 気分が悪くなり途中からベットに移動しましたが…。）
２⃣ 大学での専門科目の講義を受けている時にも貧血のような症状になることがあります。臓器等の内容のときです。無意識ではありますが 体内の写真に過剰に反応し気分が悪くなってしまっているのだと思います。前回の講義ではどうしても座っているのが辛くなり、教室の外にあるソファーで横になり 少し休ませてもらいました。

１⃣は採血や注射など針刺しの際、貧血のような症状が出る場合がありますが、通常は針をさしたことによる「VVR（血管迷走神経反応）」が原因と考えられ、血液中の赤血球数またはヘモグロビン量が正常以下となって酸素運搬能力が低下する「貧血」ではありません。

友人から採血による貧血は精神的なものであると聞きました。本当にそうなのでしょうか？
↓
確かにVVRは精神的ものも原因としてありますが、それだけが原因ではありません。
VVRという針刺し時の副作用は不安、緊張、睡眠不足、空腹、大食後、体調不良、疲労、衣服のしめつけなどにより発生率が高くなっています。
VVRは、迷走神経（心拍を遅くし血管の緊張を緩める神経）が緊張状態になる為に起こります。

過去にVVRの症状があり、採血等が避けられない場面においては、予めベッドに横になって施します。

献血ではVVRが原因と思われる死亡例が過去2件発生しています。
■ 平成13年8月、60歳代男性が東京都町田市で献血後、駅のホームで頭を打って死亡。
■ 平成17年10月、30歳代男性が東京都立川市で献血後、トイレで転倒し、頭部外傷で死亡。

２⃣は血液中の赤血球数またはヘモグロビン量が正常以下となって酸素運搬能力が低下する「貧血」ではなく、典型的な『血管迷走神経反応』の症状と思われます。

これは強い痛みや精神的ショック、ストレスが誘因となって自律神経のバランスが崩れ、末梢血管の抵抗が減少し血液が心臓に戻らず、血圧低下となり脳血流が低下して意識がなくなる場合があります。
迷走神経（心拍を遅くし血管の緊張を緩める神経）が緊張状態になり、全身の循環の中で脳の血流が減ったために生じるものです。

原因になるストレスとしては人ごみ、過労、脱水、長時間の立位、起立、空腹、採血、恐怖、痛みの刺激なども含まれます。

この症状は脳への血流が足りなくなる事で起こる為、横になった状態では発生しません。
その為、横になればすぐに脳への血流が回復して失神から覚めます。
ただし、座位では頭が上になったままの為、回復が遅れます。

これらの症状自体に危険性は少なく、病的な死亡リスクが高まる事はないものの、不意に意識を失うと転倒などで死亡事故につながる危険性がありますので注意が必要です。

結論として、１⃣と２⃣の症状は「貧血」ではなく、典型的な「血管迷走神経反応」と思われます。
あくまでも血管迷走神経反応は強い痛みや精神的ショック、ストレスが誘因となって自律神経のバランスが崩れ、末梢血管の抵抗が減少し血液が心臓に戻らず、血圧低下となり脳血流が低下して意識がなくなる場合があり、全身の循環の中で脳の血流が減ったために生じる症状であり、それ自体は特に問題はなく、有効な治療方法も薬もありません。

血管迷走神経反応の症状は以下の通りです。
【軽症】あくび、気分不良、顔面蒼白、冷汗、悪心、嘔吐
【重症】意識消失、痙攣

（採血時の貧血のような症状は）どのようにしたら克服できるのかアドバイスをいただきたいです。
↓
１⃣の場合、今後はご自身の為、施術を行う医療者および医療施設等に迷惑を掛けない為にも「採血時にVVRの症状があった為、ベッドに横になって採血をお願いします」とお伝えされた方が賢明です。
横になって採血等する場合、VVRの症状は発症しません（必ず採血前に横になり、採血途中で横になってもVVRは発症します）。

２⃣の場合、血管迷走神経反応は血圧低下となり脳血流が低下して発症する為、足踏みや手を力強く握り締める事で血圧が上昇し、症状を回避できる場合もあります。
血圧の低い人は水分を十分に取り、適度な運動をする事が大切です。
原因となる脱水、長時間の立位、過労、空腹、塩分制限、飲酒を避け、規則正しい生活習慣、食習慣を身に付けましょう。

私は看護師にむいていないのでしょうか？このままでは、臨床の現場で通用するのか不安です。
↓
それを言ってしまったら、血管迷走神経反応で失神した看護学生は、看護師になっていないという事になります。
血管迷走神経反応が発症する可能性がある場面を予測できるのですから、このままでは将来同僚や先輩だけでなく患者にまで迷惑を掛ける事となりますので、しっかりとご自身で発症しなうよう先に述べた予防や対処法を講じるべきです。
向き不向きの問題ではなく、その症状を軽視して対策をしなかった事の方が問題です。
このままでは学校だけでなく、将来看護師として勤務する職場で自己管理、危機意識が薄いと思われ兼ねませんので注意しましょう。

◇ 慶應義塾大学病院 ・血管迷走神経失神
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000626.html
◇ 採血や献血で失神…貧血とは違う血管迷走神経反射性失神の症状と原因
http://health-to-you.jp/syncope/kenketutyuunisissin2182/
◇ こんなにもある失神の原因！気を失うのは貧血だけではない
https://health-to-you.jp/syncope/sissinnnogenninn8847/

Answer 2

血管迷走神経反射というもので（VVRなどといいます）
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000626.html

それがあるから看護職に向いてないとは言えないと思います
生活習慣の改善と安全確保意識を持つことで十分に対処可能であると思います