短大の栄養学科卒業で、研究職に就くことは現実的に可能でしょうか。

Question

短大の栄養学科卒業で、研究職に就くことは現実的に可能でしょうか。やはり4年制大学卒業でないと難しいでしょうか。
ご回答よろしくお願いします。

Answer 1

一口に「研究職」といっても、どのような研究職になりたいのか不明ですけれども。

また、栄養学科の分野には詳しくありませんが、一応回答いたします。

① 民間企業の研究職 (製薬企業・化粧品企業・飲食品系企業などの研究職)

「修士号」をもっているのが最低ラインです。
4年制の学部・学科を卒業しただけだと「学士号」をもらえるだけですから、これでは不足です。
つまり、大学の4年制学部・学科を卒業 → 大学院の博士前期課程 (修士課程とも呼ぶ。2年間) を修了。
この学歴が最低限求められます。
大学を卒業した後、大学院に進学して「修士号」を持っているからといって、「スゴイ！」とか「素晴らしいっ！」と評価されるわけではありません。
しつこく書きますが、「修士号を持っているのが最低のライン」です。

② 公的研究機関の研究職、大学教員

「博士号」が必須です。つまり「博士号が最低ライン」になります。
大学の4年制学部・学科を卒業 → 大学院の博士前期課程修了 → 博士後期課程修了 で、ここまでに9年間を要します。
博士号を持っていることが最低ラインですから、やむを得ないです。
もしも、「ネットで探していたら、公的研究機関で、博士号を持っていない人を見つけた！」とおっしゃるかもしれません。
その場合、その人は研究職ではありません。
技能員・技術員・研究補佐員・研究補助員、非常勤研究補助職など、いろいろな名称があるでしょうが、ともかく研究職ではありません。

大学でも同じです。「ネットで探していたら、博士号をもっていない人を見つけた！」と思っても、その人は大学教員ではありません。
「助手」かもしれませんし、あるいは上述のような「技能員・技術員・研究補佐員・研究補助員」かもしれません。

ごくごく稀に、可能性は著しく低いですが、「博士号をもっていない大学教員」を見つけることができるかもしれません。でも、「博士号を持たない大学教員」は、言ってみれば『絶滅危惧種』です。
そういう方が21世紀でも存在している、ということを根拠に「自分もうまいこと立ち回れば、うまいこと世渡りすれば、博士号なんてなくても大学教員になれるかもしれない」と考えるのは、極めて愚かな考えです。
あらゆる分野で、博士号をもっていても大学教員になれない人が、溢れているのですから。
「上手な世渡りやコネの力で、博士号なしで大学教員になれる道を探そう」というのは狂気の沙汰です。