足利氏で幕末まで大名として唯一残った、喜連川藩（江戸時代は喜連川氏と称す） は外様大名の勝ち組ですか。 徳川幕府の旧…

Question

足利氏で幕末まで大名として唯一残った、喜連川藩（江戸時代は喜連川氏と称す）
は外様大名の勝ち組ですか。
徳川幕府の旧足利将軍家の血筋として、特別な処遇を与えています。身分は「旧足利幕府の血筋」として「御所号の使用」、「５０００石だけど正式な大名扱い」、「大名間の身分序列では国主待遇（有力外様大藩並）」です。
万石以下の幕臣でも交代寄合、高家衆は小大名待遇でしたが、あくまで「大名扱い」で正式な大名ではありません。
経済面では「諸役免除」と「国元勝手」と言う御三家でもあり得ない特典が与えられていました。「諸役免除」により幕府関係の土木工事や軍役は免除。
「国元勝手」で参勤交代も免除で、妻子の江戸在住や江戸屋敷設置の義務も免除。
全国の大名にとって「国元と物価の高い江戸屋敷の二重生活」は重い負担となっていましたからこれも有難い優遇です。
幕府からも半ば放置されていた存在です。（反乱を起こしても脅威ではない）
今で言えば「部下なしで部長待遇の窓際族・社内ニート」
みたいなもんですかね？

Answer 1

喜連川家は徳川家との明確な主従関係がなく非常に特殊な扱いです。
5000石なのに10万石待遇、無位無官なのに左兵衛督を公式に称する。諸役免除などなど異例ずくめでした。実収入と家格が伴わず俗に位倒れと揶揄され新田岩松家、長沢松平家と並んで世の三大グズリと呼ばれていました。権威を利用し大名家にたかったのです。先代当主足利惇氏さんは随筆の中で東北諸藩の参勤交代の行列が喜連川領通過の際、行列が通る橋の下で喜連川家の当主が釣糸を垂れたと言います。行列は御所様が橋の下では通過出来ず喜連川館に金品を届け挨拶を派遣し館から御所様に金品が届いた合図が来れば御所様は釣糸を上げ館に戻り行列は通過出来るのです。真偽の程はわかりませんが喜連川家はこうでもしなくては格式を保つ事が出来なかったでしょう。徳川家は室町以来の名門を家臣に加え(高家)高い格式を与えますが所領は多くは与えませんでした。高い格式と実収入は意図的に反比例させているのです。権威と実力は伴わせなかったのです。
部下なし部長待遇の窓際というよりは
平社員並みの給料で部長待遇でしょうかね。

Answer 2

徳川家が源氏の血統を自称したのであんまり無下にも出来ないし、かと言って力も持たせられない。
部下なし部長待遇というよりも創業者一族に年金を渡して奉るだけで、徳川家の権威づけにも利用したという感じです。社内の正式なポストはないですが、会社に顔を出すなとも言えない創業者一族みたいなものです。
ここまで優遇されていた訳でもないですが、諸藩にも客分とか客将なる身分の人達がいました。
こういうのは地元の有力豪族の末裔で帰農しなかったような家や有力大名の親戚筋で偉く成りそこねた家の末裔等です。映画化された藤沢周平の小説「必死剣鳥刺し」で吉川晃司が演じた御別家様のようなものです。
御別家はかなり偉いですが、この種の人はだいたい一番下で300石くらいです。

Answer 3

＞「部下なしで部長待遇の窓際族・社内ニート」

確かに、そんな感じですね。
会社の伝説的創業者の末裔だという事で、
特別な待遇で、会社に籍がある、といった感じでしょう。
会社に出勤してこられても、かえって他の社員から、
反感を買ったりして、社内のモチベーションが下がってしまうから、
在宅勤務しててもらう方が良い人、ってことでしょう。

Answer 4

実高5000石しかないのに大名の格式で費用が掛かるので財政は常に火の車です。幕府は参勤交代も江戸屋敷も不要としてるのに自前で江戸屋敷も持ってました。なけなしの金を使っても江戸に来る理由があったのです。