車掌…列車に乗り、ドアの開閉操作、案内放送、車内巡回をして利用者の質問に答えたり、乗車券類の発売や乗り越し精算業務を行います。 運転士…列車に乗り、その列車を操縦して運転を行います。 殆どの鉄道会社では、運転士は車掌の経験を経て試験を受けて免許を取得してなりますから、時には車掌として乗務する事があります。 質問文章内にある運転士は、あのような発言などしなくてもよかったのにと思います。 にっこり笑って、息子さんに「車掌ですよ」とか、「車掌もやるけど、運転士もやるんだよ」などと答えてあげても良かったかと思います。 私も運転士だった時代に、同じような光景に遭遇しましたが、相手の発言内容に合わせた受け答えをした(その時は「車掌もやるけど、運転士もやるんだよ」と返答した)ことがあります。
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制度や仕事内容については、いいお答えが先にたくさん付いていますので、それ以外の事を。 「運転士」は文字通り「運転する人」です。これは説明が要りませんね? 「車掌」は、「車」を「掌(つかさど)る人」というような語源かと思います。(かつては「列車」だけでなく「バス」にも車掌がいましたので、あえて「列車」ではなく「車」にしておきます) 「掌」は「てのひら」などとも読みますが、仕事を担う、つかさどる、というような意味があります。ふたつの仕事を兼ねる時に「兼掌する」などと言ったり、逆に仕事を分け持つ時に「分掌する」と言ったりします。その意味の「掌」です。 英語でも「conductor」ですね。「車内統括者」とでも訳したらいいニュアンスなのだろうと思います。 余談ですが、「列車長」と言われるとどんな仕事を想像しますか? 何となく「列車で一番偉いのなら運転士さんの事かなあ」と思われる人が多いのではないかと思います。が、これは車掌さんの事(複数の車掌が乗務する列車の中の責任者を指す)なのです。それは↓のような歴史にもかかわって来ます。 ここからは少し鉄道の歴史の話を。 今は同じ制服を着ている「運転士」さんと「車掌」さんですが、昔はまったく違う世界でした。というのも、大昔は今のような電車中心ではなく、機関車(動力は蒸気・電気・ディーゼル、いろいろありますが)が客車を牽いていたからです。 機関車を運転する人は、「運転士」ではなく「機関士」と呼ばれていました。まさに機械を相手にする世界。文字通りの「エンジニア」です。現代の電車の運転士でも誰でも出来る事ではなく、一流の技術者だとは思いますが、蒸気機関車の機関士はさらにいろいろな技術を要求される職種でした。 で、この時代には、走行中に客車と機関車の間の行き来が出来ません。機関車は機関車、客車は客車です。大昔には相互の通信手段さえもありません。ですから、機関士は列車を安全に、かつ定刻で動かす事に全力を集中する、車掌は客車の中の事について全責任を負って管理する、というふうに、仕事の内容も持ち場もまったく違う世界だったのです。 制服も違います。機関車は基本的に汚れ仕事でしたので「菜っ葉服」と呼ばれた作業服と作業帽。一方の車掌は、わりと昔から今の鉄道の制服のようなスーツタイプに制帽です(その前は詰襟でしたけれど)。特急などに乗務する車掌さんは、クリーム色のダブル、なんていうおしゃれなものが国鉄時代からありました。 養成システムも違いました。機関車系は機関庫での「カマ磨き」というところからスタートして、機関車の整備を学び、幾度もの試験を受けて、機関助士(いわゆる「カマ焚き」)を経て、機関士になります。エンジニアだからです。 車掌は、駅の仕事からスタートして、やはり試験を受けて車掌になります。駅と車掌は、「切符を売る」「切符を精算する」「運賃制度を覚える」「全国の駅名を覚える」というような業務のベースが共通のため、同じジャンルに置かれていたのです。 こういう部分は、現在はもうありません。もともと機関車などがなくて電車の世界だった私鉄では、運転士は車掌経験者から試験で選抜する方式になっていました(国鉄でも新幹線などはそうでした)。民営化以後このあたりが見直され、今はJRも私鉄と同じような選抜方法になっています。 また、合理化で運転士さんが車掌業務を兼ねる「ワンマンカー」も出て来ていますし、昔ほどはっきりした差はないので、運転士さんを見て「車掌さんだよ」と言ってしまう気持ちも分からないではありません。 ただ、実はこういうふうに元々は全然違う歴史をたどってきたお仕事なのですよ、という事は頭に入れておいていただけるとうれしいかなーと思います。
なるほど:2
最近の親御さん世代は違いをご存じないとはかなり驚きです。 バスやタクシーも利用されたこと無いのでしょうか。
運転士:列車を運転する(主に列車の先頭にいる) 車掌:列車のドアを開け閉めをしたり車内放送をする(主に列車の最後尾にいる) 一部例外はありますが、車掌が運転はしません。 ワンマン運転の場合は運転士が車掌の業務を兼務することもあります。
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