総務省消防庁が保有する車は、いわゆる「黒車」じゃないかな?と思います。 あとは、消防研究センターが鑑識などで現場に向かう車ですね。 総務省消防庁は、実働部隊は持ってないはずです。基本的に消防の業務は市町村の仕事です。総務省消防庁というのは、各自治体が消防行政を円滑に行えるようにするための法整備や連絡調整、予算配分などが仕事です。 民間の会社で言えば、トヨタの本社で車を売ってないような話です。 「消防車両に総務省消防庁って書いてあるやつがあるだろう。あれには消防庁の職員が乗ってるだろうが」と思うなら間違いです。 車体や機体に「総務省消防庁」と書かれた車両や航空機は、総務省消防庁が調達して現物を各都道府県に配分している車両です。 いつ頃からかははっきり覚えてませんが(ネット検索もめんどくさい)、広域災害で緊急消防援助隊などとして被災地に入った時、特殊な装備を持つ車両や後方支援車両にバラツキがあり、例えば大きな消防本部なら夜間の仮眠用のテントや簡易ベッド、シュラフなどを持っていましたが、小さな本部ではそういった装備が充実してないので、車の座席で寝ると言ったことがありました。 東日本大震災では、多くの建物が津波や地震で損壊したため、仮眠できる建物すら残っていないような状態でしたからね。 そこで、夜は仮眠施設にできたり、昼間はブリーフィングができるような小会議室の機能を持たせた支援車だとか、人員搬送を主眼に置いた人員輸送車、放水などのために場所を動かさない消防車などに燃料を補給する燃料補給車など、相当な種類の車が全国に配備されたんです。 通常、新しい消防車を買うときは、自治体(消防本部)が数年前から購入(更新)計画を立て、国(総務省消防庁)に「こんな車を買いたいので補助金をください」って頼みに行きます。国が補助金を出すと決めれば、補助金と消防本部の予算を合わせて消防車を買います。 これに対して、緊急消防援助隊用などの車両は、国が出来るだけ全国一律に配備できるように「今年はあの車をどの県とどの県…にどんな車を配備する」って決め購入します。 車によっては製作できる会社が限られることもあり、どうしても単一年度で発注できる台数が限られますので、複数年度で全国に配備することになります。 そうすると、違うは各県の消防本部でどこの本部がどの車を引き受けるか決めるんです。 この「どの本部が引き受けるか?」がとても難しいんですよ。 現場の職員からすれば「あの車は格好いいし、便利そうだし、うちの本部に欲しい」と考えます。 しかし、(消防署ではなく)本部の職員からすれば「置き場所はどうする?ガレージにそんなスペースないぞ」「維持費はどうなる?自賠責や自動車保険、燃料やタイヤ、車検費用もかかるぞ」「ガレージに置きっぱなしにしたら早く傷むから、定期的に走らせたりしないといけないし、燃料も長期間入れっぱなしにしたら劣化する」というような問題があるんです。 総務省消防庁と書かれた車は「無償貸与」という形をとります。 つまり「車はタダで貸すけど、それ以外の費用は各本部で負担してね」ってことです。 だから、燃料補給車や人員輸送車などの車は普段使いできますが、支援車などは普段の使い道がないし、ガレージは大きなスペースを取るので、小さい本部は「そんな車、タダでもいらない」ってなるんです。 となると、県庁所在地の本部が「引き受けざるを得ない」ようになります。 そして、小さな本部の職員からは「あの本部ばかりいい車をもらう」って妬まれるんですよ。自分のところの本部がいらないといったのに。 ということです。 総務省消防庁と書かれていても、それは消防本部が「借りてる」車であって、総務省消防庁の職員が現場に乗って出る訳ではありません。
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