大手ゼネコンなどではヘルメットはもちろんの事、安全帯や安全靴の装着を義務化していますが、これは何かの法律、例えば安全衛生…

Question

大手ゼネコンなどではヘルメットはもちろんの事、安全帯や安全靴の装着を義務化していますが、これは何かの法律、例えば安全衛生法？で義務付けされているのですよね？
ヘルメットや安全靴は分かるのですが安全帯に関しては高所で作業する人だけでいいと思うのですが、高所で作業する事が全く無い業種でも装着させられます！
これは現場に入場した瞬間、全ての人間が均一的に装着するよう法律で定義されているのか、それともゼネコンなどの独自のルールなのでしょうか？
狭い場所での作業で逆に安全帯をしている方が物を引っ掛けてしまったり等不安全だと思わされる事がしばしばあるのですが…ルールだからの一点張りで外す事を聞き入れてくれない場合もあります。
街場の工務店などの現場ではヘルメットもろくにかぶらず作業しているのも見受けられますが…

法律上どういう定義なのか、分かる方のお知恵をお借りしたいのです。

Answer 1

高所とは２ｍ以上の箇所を言います。
２ｍ以上の箇所での作業というのは、ほとんどの業種でありうるのではないでしょうか？

労働安全衛生規則第518条と５１９条で、２ｍ以上の箇所には囲いを設けるか、囲いが無理なら安全帯をつけさせる事が決められており、
労働安全衛生規則第5２０条には、安全帯などの使用を命じられたときにはそれに従う義務があることとされています。

条文は以下の通りです。（http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47F04101000032.html より引用）

第九章 墜落、飛来崩壊等による危険の防止

第一節 墜落等による危険の防止

（作業床の設置等）
第五百十八条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所（作業床の端、開口部等を除く。）で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
２ 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

第五百十九条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆い等（以下この条において「囲い等」という。）を設けなければならない。
２ 事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

第五百二十条 労働者は、第五百十八条第二項及び前条第二項の場合において、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

Answer 2

安全帯は２ｍ以上の場所で作業をする場合で他の墜落防止措置（手すり等の設置など）が取れないときです。ヘルメットは高所からの飛来・落下がある場所、安全靴は踏み抜きや重量物の取り扱いなどの場所等で着用させることが労働安全衛生規則で定められています。逆に言えば、このような危険性が無いと客観的に認められる場所（例えば２ｍ未満の場所しか行かない）という場合は、法律上の着用義務は無いということになります。
ゼネコンなどの現場で、現場に入るときには、必ずヘルメット・安全帯・安全靴着用を義務付けているのは、結論から言えば、その現場独自で定めたルールということになります。
しかし、このルールそのものが不当かいうとそうも言い切れません。建設現場ですから、いつ、高所作業が行われるか元請としては管理が難しいので、「装備」として下請け従業員に着用を求めているということです。また、法的には２ｍ以上の場所が対象となりますが、２ｍ以下でも墜落して死亡するということはありますので念のためということもあると思います。
確かに、２ｍ以下の墜落の危険の無い場所であって、ごく狭い場所での作業などで、装備によってはかえって墜落以外の危険が生じることもあると思います。そのような場合は別途対応を考えるべきでしょう。
本来は安全のための措置ですから、ルールだからというだけで硬直的に考えるのは本末転倒になるのではないでしょうか。