退職金は法令で義務付けられたものではないので、退職金規定があるのかどうかが先決です。 規定があれば、死亡による退職となり、退職金は支払われます。 死亡労働者の退職金については、民法が定める相続人ではなく、退職金規定に定められた受給権者に受給権があるとの見解をとった判例(福岡工業大学事件、最判昭60.1.31.労経速1238.3)があります。 死亡退職金は、労働者が死亡したことにより退職し、労働契約が終了した後に発生する請求権に基づいて支払われるものと解されるため、生命保険金請求権と同様に、相続財産の中に含まれず、相続の対象とはなりません。だから受給者は相続とは無関係に固有の権利として取得できます(もちろん会社が支払う場合のことです)。そのためには退職金規定もしくは就業規則で規定していなければなりません。 労働基準法施行規則42条、45条では、1配偶者、2労働者の死亡当時その収入により生計を維持していた者または労働者の死亡当時これと生計を一にしていた子、3同じく父母、4同じく孫、5同じく祖父母の順序で、以上のような生計を一にしていなかった者、最後に6兄弟姉妹(ただし、生計を一にしていたほうが先順位とする)と定められています。そして、1の配偶者には「内縁」の関係にある配偶者も含むと規定されています。 しかし就業規則で受給権者の範囲、順序を規定していなければ、一般法としての民法の相続の規定に従い、相続人に支払う主旨と解釈されます。民法の規定では、1子、2直系尊属、3兄弟姉妹の順序で、配偶者はこれらの者と同順位で相続します。ここで注意すべしは、民法の相続規定では、配偶者は法律上の配偶者を意味し、内縁の配偶者は含まれないとされていることです。 「内縁」とは、「婚姻意思をもって、共同生活を営み、社会的には夫婦と認められているにもかかわらず、法の定める婚姻の届出手続きをしていないため、法律的には正式の夫婦と認められない男女の結合関係」とされています。従って、婚姻意思はなく女性を囲って経済的援助をしながら性的関係を継続する「妾関係」や、夫婦共同生活の実体のない「私通関係」はここにいう「内縁」とは区別されます。 規定を設けていなければ、生計を共にしていた事実婚の配偶者が受給できずに、生計を共にしていなかった血縁の者が受給することになります。これは理不尽なことだと私は思います。だから支払い優先順序の規定は必要だと私は思います(話がそれてしまいましたが)。
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