医者の労働についてなんですが現在日本の医者の労働時間が48時間平均と言われますがなぜ日本の医療がここまで慢性的な医者不足…

Question

医者の労働についてなんですが現在日本の医者の労働時間が48時間平均と言われますがなぜ日本の医療がここまで慢性的な医者不足と超過勤務労働、そして過労死した医者は超過勤務でないなどの裁判まで出てますが元の原因はなんですか？

詳しい回答よろしくお願いします

Answer 1

現在7年目となる急性期病院勤務の医者です。

医者の労働時間が週平均48時間なんてあり得ないです。
そんなに短い勤務をしたことはありませんし、同僚でもそんな短時間労働者はいません。
当直時間という勤務とはみなされないが本当は勤務している時間も合わせると、少なく見積もっても大抵の医者は週に70時間は働いています。
酷い病院では週100時間以上です。

これは完全な違法なわけですけど、それを違法として扱ってしまうと、日本の医療は完全に崩壊する状態です。

こんなに働いているのに、何故公表されるのは、こんなに短時間なのか、という点は明確です。
一つは当直という形（勤務しているが勤務として扱わなくて済む）での勤務をさせること。
もう一つは残業をつけさせないこと。です。

今紹介した『当直』と言う名の悪質きわまりない違法労働について少しだけ記載します。
『当直』というのは、本来は殆ど勤務を伴わない管理当直の状態のことを指します。
そのため翌日の連続勤務が認められているわけですが、これが悪用されているのです。
救急指定の病院では（救急車ふくめ急患を24時間受け入れる事に加え、病棟でも急性期の患者さんが多数入院しており）、当直という言葉をその病院機能からも当直という勤務を組み込んでいい筈もないのです。
救急指定のある病院では、言葉では当直とはいいますが、その実態は相当な肉体的精神的負担の中で連続勤務を強いられており、本当は『当直』ではなく、悪質極まりない『違法時間外労働』なんです。
そして、多くはそのまま連続勤務で翌日の日勤へ。
結果として、32時間以上の連続勤務を週に1度程度、酷いところだとそれ以上やらねばなりません。

平日全て日勤をこなしつつ、これもやって、日曜日なんかもしばしば出勤があったり、夜間の緊急呼び出しなんかもあるのです。

しかも扱うのは人命です。

こんな勤務が実態ですから、精神的肉体的負担の重さ、束縛時間の長さなどから、特に急性期の病院勤務医はやっていけないのです。

過労死問題も常にあります。
特に当直勤務をこなして、そのまま日勤に入っているときは、意識が朦朧として、立っているだけでもやっとで、自分での死ぬかもしれない、と思ってしまうことがしばしばあります。
そのくらい肉体の疲労は極限に達します。
こういう勤務をしていると、肉体は当然おかしくなりますけど、精神的に変調がきます。
精神が破綻しかけ、普段はない人格が出てきて、対患者さんで、それを表に出す勤務医はあまりいないとは思いますが、正常そうに保つのがやっとです。

こういう状況で働いて、病院を必死に支えているにもかかわらず、労働とすらみなされない勤務をこなさないといけないわけで、それは病院側への怒りも募ります。
病院側も本当は、そこまで働かせてはいけないことも、これだけ働かせれば過労死の危険があることなんて分かっているのです。
しかし、いざそういう事態が起きても大丈夫なように、死ぬほど働いている勤務医たちは残業していない扱いにされていっているのです。

この実態がありながら、いざ過労死したら、、、というと、死ぬまで働いて病院や地域医療を支えたのに、病院側はその医師に対して過労死するほどの勤務はなかったなんて平気でいうのです。

最悪、最低の卑劣な行為だと思います。

私と同様の立場の人（救急病院で常勤として働く勤務医）なら、ここに私が書いたことは全部理解していただけると思います。

最後に少し追加させていただくと、
マスコミなんかが給与面や労働時間など出していますが、あんなもの統計を無茶苦茶に取り扱ったものです。

医者は特に大学病院なんかでは非常勤扱いされて、薄給で働く医者も多く、平均で1500万近くも勤務医がもらっているなんてことはありません。
労働時間もそうです。
我々が肉体と精神が崩壊しかけながら耐え抜く当直は労働時間に入りませんし、日常の残業もそうです。
残業代を一円たりともつけてくれないところだってありますし、『医長』とか『部長』とかいう管理職ポストをつけて、残業ゼロ扱いとしているケースも多数です。
そんな状況であり、医者、特に救急指定病院で働く病院勤務医（常勤医）の勤務実態は、非常に酷いものがあるのです。