派遣社員→直接雇用になった人を雇止めする場合

Question

派遣社員→直接雇用になった人を雇止めする場合職場で人事担当をしております。
下記の質問は使用者側の考え方になってしまうので気分を害される方には大変申し訳ございません。

派遣社員として６年ほど働いていた方を、平成２０年４月に契約職員（１年契約）として直接雇用しました。
本人の能力を評価し直接雇用に切り替えたわけではなく、費用面での節約の意味合いが強いものです。
（公益法人のため、直接雇用をした場合には都道府県から人件費の補助金が支給されるためです。）

この方に来年３月末日で契約期間満了で退職していただきたいと考えております。
説明するべき合理的な理由は多々あるのですが・・・ここではあえて省略させていただきます。
経営的な人員削減ではなく、この職場の職務に本人の適性が合わないであろうことが一番の理由です。
本人にはここ３年程、口頭で何度か改善を促していましたが、改善の見込みが薄いと判断しました。
（口頭のみで「業務改善通知」のような文面では残しておりません。）

直接雇用としての更新回数は１回しかありませんが、派遣社員としての契約更新が何回もある（更新手続きも形式的な書類のやりとりのみ）ことから、「事実上期間の定めがない契約」「本人が当然雇用継続を期待する」状況になっているものと思われます。
職務内容も正規の職員と同等に近い業務を任せていた側面がございます。

上記のような場合でも、合理的な理由さえあれば、雇止めすることは可能なのでしょうか？

使用者の立場として、実に身勝手な文面に見られてしまうかもしれないことは重々承知しております。
どんなご意見でも結構ですので、アドバイスをお願いいたします。

Answer 1

まぁ知恵袋の利用者は圧倒的に労働者側の人が多いと思いますが、私は出来るだけ中立に回答するように心がけています。

要は、解雇権濫用法理が類推適用されるかどうかだと思いますが、
派遣の期間はそんなに考えなくてもいいと思います。

基本的には、
更新の回数
雇用の通算期間
雇用の臨時性常用性
雇用の継続に対する期待をもたせるような言動や制度の有無
で総合的に判断ということでしょうね。

更新手続が面接等がなく、更新の基準もないのであれば、期間の定めのない契約と実質的に変わらないと判断される可能性はあります。

雇止めの判例法理というのは、東芝柳町工場事件と日立メディコ事件というのは裁判上の運用で支配していますが、東芝柳町工場型というのは非常に少なく、日立メディコ型に該当するかどうかです。
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/100.htm

＞口頭のみで「業務改善通知」のような文面では残しておりません。）
全て書面でのこしておくことです。
口頭では裁判になった場合に陳述書等での証明が大変です。
これまで、何回も注意指導してきましたが・・・という前置きをしておけば、これまで何回も注意指導してきたことになります。

解雇権濫用法理が類推されたと仮定して、法16条の権利濫用かどうかを判断するためには、客観的な証拠が必要です。
通常なら、訴えたほうが証明する必要がありますが、契約法16条の主張立証責任は会社にあります。

＞合理的な理由さえあれば、雇止めすることは可能なのでしょうか？

合理的な理由があるかどうかではなく、権利濫用でないという証明ができるものがあるかどうかです。
会社の人が合理的な理由があるので解雇してもいいですか？というのはよくありますが、
多くの場合は、裁判での証拠に耐えない、おそまつなものです。