解決済み
高校2年生です。将来は難病の研究や治療薬の開発などがしたいです。 そこで質問なのですが、 地方の医学部に進学するのと、旧帝大レベルの薬学部に進学するのではどちらが良いのでしょうか?薬学部に進学するとして、臨床薬学と創薬薬学ではどちらが良いのでしょうか? 医学部に進学したとしたら、研究医になると思うのですが、臨床をしながら研究もすることはできますか?またそれは大変ですか? 更に、医学部と薬学部では大変さはどれくらい異なりますか?また、研究医と薬学の研究者ではどのような違いがありますか? 質問ばかりですみませんが、どうぞよろしくお願いします。
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阪大医学部卒の者です。 >地方の医学部に進学するのと、旧帝大レベルの薬学部に進学するのではどちらが良いのでしょうか? 態様がだいぶ異なるので、一概には言えないです。 医学部の場合、最初から治療薬を目的にした研究をすることは少ないです。大抵は病気の発症原因を研究していて偶然発見するケースです。例えば、ある物質が欠損しているとか、体内で合成できないとかいう場合であれば、その物質を補ってやれば薬になるのではないかと考えられます。 薬学部では、既に見つけられた有望な物質について、どの部分が効いているのか作用機構を明らかにしたり、化学構造を少し変えることでより強力な薬を作れないか研究することが多いです。また、薬として作用する物質が見つかっても血液中では分解したり、脳の組織には入らないということがあります。そういう場合に、分解されなくしたり、脳血液関門を突破できるように工夫するなどの研究が行われています。 また、最近では治療薬を積極的に探す研究も始まりました。京大のips細胞研究所では難病患者のips細胞を作製し、いろいろな薬物を加えることで難病を治療できないか研究が進められています。多発性嚢胞腎は指定難病67で、両側の腎臓に多発性の嚢胞が生じて慢性腎不全を生じる遺伝性疾患です。現在、腎臓の細胞でips細胞を作製し、嚢胞の発生を抑制する物質を探しているそうです。うまく行けばips細胞研究初の成果ということになります。 薬学部同士なら、旧帝大の方が良いです。 製薬会社の研究職の採用はほとんど旧帝大と東京理科大以上の私立に限られています。千葉大や岡山大クラスでもガクンと減ってしまいます。 なお、薬学部でなくても理学部化学科でもいいです。 化学系と生物系では化学系の方が有利です。現在でも薬の大半は有機化学合成で製造されているからです。また、化学系は毒物や爆発物なども扱うため実験手技を身に着けるのに時間がかかります。しかし、生物系はキット化されたものが多く、素人の実験助手の女の子でも3か月あればかなりのことができるようになるからです。 但し、最近ではオプシーボのような分子標的薬が登場し、生物製剤が増加してきています。 医学部で研究する場合も旧帝大に入学するのが有利です。 科研費の配分は東大24%、京大14%、阪大12%で3校だけで驚異の50%に達します。続いて、東北大、名大、慶応大、九大が6%ずつで全体の75%です。医学部は全部で82ありますが、残りの75校が25%にぶら下がっていることになります。実際には相手にされない医学部が大半です。お金がないと研究はできません。 また、医学部には生え抜き優先の慣習があります。一般的に研究志向の医師は少ないので、他学出身者でも入ることができます。しかし、昇進で不利なことが多いです。また、京大のips細胞研究所などは例外的に人気が高いので、外部からの参加は困難でしょう。そういう人は最初から京大を受験した方がいいです。 >薬学部に進学するとして、臨床薬学と創薬薬学ではどちらが良いのでしょうか? 創薬薬学が良いです。 臨床薬学は6年制で薬剤師資格取得を目指すコースです。卒業後は、病院薬剤師、調剤薬局、ドラッグストアなどで勤務します。 創薬薬学は4年制で、卒業後大学院修士課程に進学し、2年間研究者として独り立ちを目指します。卒業後は製薬会社の研究職に就く人が多いです。但し、薬剤師免許が取得できません。 なお、阪大薬学部のみ6年制で薬剤師免許を取得しながら、研究職を目指すコースを新設しています。しかし、4年制薬学部+修士課程2年のコースから採用するのが固定化しているので、受け入れられるかどうかは疑問です。阪大が信用できるという人以外にはお勧めできません。 >臨床をしながら研究もすることはできますか? できます。 臨床系の教室はどこもそうしています。 >またそれは大変ですか? 別に大変ではないです。 その分、大学病院には重症患者はそれほどいませんw (外科はいますが、難病研究は主に内科です) 内科系の大学病院の医師は基本的に研究者で臨床能力は低いです。重症患者なんて診たことがない人が多いので。 >更に、医学部と薬学部では大変さはどれくらい異なりますか? 大学生活は医学部の方がずっと大変です。薬学部は理工系と大差ないでしょう。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11278242941 >研究医と薬学の研究者ではどのような違いがありますか? 研究医は医師免許があるので、患者に対して直接投薬したり検査したりできます。 薬学の研究者は薬剤師免許を持たない人も増加してきています。無免許者が増えていますねw でも、研究者としての基礎訓練はバッチリ受けているし、有機化学合成などの高度な技術を持っています。 医学部の場合、大学院博士課程入学時点では、せいぜい薬学部の4年次に入ったくらいのレベルです。物理、化学に関する知識は高校生に髭が生えた程度でしかありません。 オウム真理教事件では、筑波大化学系卒の土谷死刑囚の指導の下、医師の中川死刑囚がサリン合成を手伝っていましたが、そのくらいの実力差があります。 おきばりやす (o^-')bグッ!
なるほど:1
地方の医学部が良いと思います。薬剤師の仕事はある程度は医師でもカバー出来ますが、その逆はないですから。
それは難病の種類よって違いますが、どちらにしても病気から攻めるのであれば医学部ですし、物質から攻めるのであれば薬学部です。 つまり、ある病気の治療薬をと考えるのならば医学部ですし、この物質はこの病気の治療に使えるのではないかと考えるのが薬学部です。 また、難病など希少疾患は、数が少ない分、国に一つとか地方に一つとか症例が集約されて集まります。ですが、ある病気の研究が進んでいる大学に入学する必要はなく、医師になってからそういう大学や施設の研究室の門を叩けば良いだけのことです。薬学部を卒業してからも、医学部大学院に行けばそういう道に進めますが、収入はめちゃくちゃ少ないです。どこの大学の研究が進んでいるかは、厚労省の難病研究班の名簿を見て班長や研究者がどこの大学から多く出ているかで調べれば良いです。 https://www.nanbyou.or.jp/entry/5461 難病などの希少疾患に対しては、臨床に携わりながら研究するのが当たり前です。もちろん、臨床と研究の2足の草鞋は大変ですが、そういう人はたくさんいます。医学部の大学教員というのはみんなそういう人です。
なるほど:1
どの分野でも、研究者は少数精鋭です 例えば、文学研究について考えた場合、日本中の大学に予算を振り分けたりしませんよね? 限られた予算は、最上位の研究室に集中して振り分けられます つまり研究者になりたければ、最上位に入らなければ話になりません この事情は医学だろうと、薬学だろうと変わりません(むしろ顕著です) 地方の医学部ではまともな研究者になれる可能性はありません それと比較するなら、東大か京大の薬学部を目指したほうが、当然チャンスは上ですよ
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