知人のタクシー会社の専務から、従業員が死亡事故を起こし、そのあと監査が入る可能性があるので、臨時に社員になって、衛生管理…

Question

知人のタクシー会社の専務から、従業員が死亡事故を起こし、そのあと監査が入る可能性があるので、臨時に社員になって、衛生管理者の資格を貸してほしい、と求められました。その内容は、衛生管理者の資格を持っている人が止めたので、従業員に資格を取らせにいくまでの２月くらいの間、出社して何でもいいから仕事をしてほしい、とのことでした。仮に、もし、この要望を引き受けて、この事実がバレたとしたら、どうなるでしょうか?

Answer 1

死亡事故後の監査ということですが、考えられる監査に２通りあります。
１つは管轄の運輸支局が単独で監査に入る場合です。運輸支局が監査に入った場合、主に調べるのは道路運送法違反がないかどうかです。たとえば、点呼を漏れなく執行しているか、乗務員の教育体制に問題がないかといったことです。もちろん、付随して過労防止の措置、過重労働の有無も調べますけど、運輸支局が衛生管理者の選任状況まで調べることはまずありません。

もう１つは、運輸支局と労働基準監督署が合同で監査に入る場合です。とくに長時間の過重労働が死亡事故の原因に濃厚となれば、合同監査の可能性は高いです。労基署が入ると労働時間の管理はかなり調べられると思います。ただ、安全管理者や衛生管理者、産業医などに関しては、資格者を選任して労基署に届けてあれば、それ以上調べられることはまずありません。

資格者証だけを貸すとなると問題ありですが、実際に臨時とはいえ社員になるわけですから、要望を引き受けても何ら問題ないことだと思います。衛生管理者の募集に応えて社員になったといえば、それだけのことですから。ただ、労基署への届け出はすぐにやっておいた方がいいですね。