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ちょっと大袈裟になるかもしれませんが、 アパレル人生を賭けた という接客エピソードです。 最近は、売り場へ立つ事がほとんど無くなってしまってますが 独立した頃は、日々お店で接客をしていました。 その頃 何度かリピートしてくださる様になった顧客様より 『今度 クラス会があるから それに着て行きたい服が欲しい』 とのお申し出を頂きました。そのお客様は、それまでもダーク系の 商品しか購入されずもちろんご来店時の服装もいつもダーク系でした。 ただ お話をさせて戴くと明るく心の透き通ったお客様でしたし お顔立ちもダーク系よりパステル系がお似合いになる方だと 心の中では感じていました。 ちょうどその時そのお客様にとってクラス会向きの ピッタリな商品がなかったので後日メーカーへ行くので その際見てきます という事になりました。 そしてメーカーへ。もちろん そのお客様の好みはわかっています ですが、私は勝負しようと思いました。それは、そのお客様の 今後のファッション人生に少しでもお役に立てたならば もし 私が扉を開ける事が出来たならば との思いから 以前より心の中に抱いていた パステル系の商品を 買い付けました。もちろん お客様がひと目見て 『絶対NO!!!』も覚悟の上でした。そして お客様ご来店。 当然 ひと目見て大喜びではありません。 でも 私が似合うと思って買い付けてきた事も理解して 下さっていました。サイズもピッタリ ただ お客様にとって 人生で一度も着た事のないスタイルです。 そんなに絶対に嫌だ・・・という強い感じでもありません。 ですが、私はそのお客様に似合っているという強い確信が ありましたので最後にこうお伝えさせて頂きました。 『大袈裟な表現かもしれませんが、私のアパレル人生を 賭けてこの商品を着てクラスへ是非ご出席下さい。 もしクラス会で不評の場合は、後日 お伝えください。 その時は、この仕事に向いていないので辞めさせて戴きます』 実際だからと言って辞めるわけでもありませんが、 そのくらいの覚悟の上でお勧めする事をお伝えしました所 そこまで言うなら・・・とお買い上げ戴き クラス会へ着て行く運びになりました。 そして クラス会の翌日 お客様へ心臓が飛び出しそうな思いで 連絡をしました・・・・ 『如何でございましたか?』 『それが、友達から大好評で・・・・ 私にこの服を着させたその店員さんは偉いわよ って友達も言ってたわよ・・・ 私も貴方があそこまで押してくれていなかったら いつも通りのスタイルで出席していたと思うし あんなに友達から褒められた事はなかったわ ありがとう』 電話を切った瞬間涙がこぼれそうでした。 今でもはっきりと思い出せる 思い出深い接客エピソードの中ひとつです。
なるほど：1,323
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