現在メーカーに勤めているのですが、 この不況を受け、メーカーにいるのは今後私にとっては良くないと感じ始め、 特許事務…

Question

現在メーカーに勤めているのですが、
この不況を受け、メーカーにいるのは今後私にとっては良くないと感じ始め、
特許事務所への転職を考えています。弁理士資格の取得、特許事務所への転職を考えているのですが、
私の経歴だと転職はかなりの狭き門だと感じています。

下記略歴です。
年齢：35歳（今年36歳になります）
現職：車両部品メーカー（東証1部）、法人営業（4年）
前職：医学翻訳、前々職：建築事務所
所得資格：中小企業診断士、危険物取扱者乙4種、TOEIC：860
高卒

①例えば弁理士資格を取得した場合、
上記の経歴だと特許関係の会社・事務所への転職はどれくらい難しいですか？
②知財戦略コンサルティングに興味を持っていますが、
具体的にどのような仕事でしょうか？（おおよそは分かっているつもりですが）
こういった事業を展開されている事務所に転職を考えた場合、
中小企業診断士（＋弁理士）というのは有利に働きますか？

例えば弁理士資格を取得しても今後のステップアップに役立たないのであれば、
年齢が年齢ですので弁理士資格に対して時間とお金を浪費せず、
他ステップアップの方法を考えなければと思っています。

今の会社の知財部に異動という方法もあるのでしょうが、
希望通りいくかは分かりません。

基本的に前向きで、迷うことはないのですが、
今回はちょっと悩んでしまっています。

アドバイスを宜しくお願い致します。

Answer 1

特許事務所は、一般に、出願の代理業務、技術書類の作成業務を業としています。そしてそれが、売上げのほとんどを占めています。私自身はメーカの弁理士をしています。
そして、特許事務所にとって、最近話題を集めている知財戦略コンサルティングは、その出願業務を受注するための「営業ツール」のような位置づけです。弁理士会でも知財コンサルティングが流行っていますが、いまのところ大多数の弁理士にとって、周辺の業務に過ぎません。

貴殿が出願代理業務に主眼を置かず、コンサル業務に主眼を置かれる限り、弁理士資格を取ったとしても、箔が付く、といった以上のものは期待できないように思います。そして、ただ箔を付ける為に取る資格としては労力が大きすぎるように思います。そして、特許事務所にあっては、個人でやっているところは若干ありますが、組織として知財コンサルを主眼においた活動が出来る事務所はあまりないと思います。今の不景気で大企業ですら外部調査などの費用も経費として絞っている昨今、仕事を新たに出す会社はこれから１、２年はあまりないと思うので、今その業界（知財コンサルを目的とした特許事務所は特に）に転進されることはリスクを伴うと思います。そして、「知財コンサル」というのは、経営コンサルとして一人前の人が、その周辺知識として持っていたり、一人前の弁理士が、その周辺知識として持っているべきもので、それだけで食べていける性質ものではないように思います。

今の会社の知財部で、どのような仕事（業界）かを確認されてから、次の道を模索されることが、最もリスクが低い道だと思います。
知財コンサルの例 恐らく、最もうまくいった例ばかりを並べているものです。現実にはこれほどスマートなものばかりではないと思います。
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/tokkyo/data/consuljirei2-4.pdf。

Answer 2

①理系大卒程度の知識がないとかなり難しいです。
高卒の場合は、理系大卒の3倍位の難易度だと思います。
（つまり、商標分野に転職するしか道がない）

②知財戦略コンサルティングは難しいです。
系統にもよるのですが、
戦略系の例だと、まず、業界の開発動向を推測し、最も効果を上げられる開発分野を特定します。
そして、該当分野に特許ポートフィリオを構築する最善の方法を提案する、といった具合です。
戦術系の例だと、特定の技術分野の出願件数や登録件数を向上させる具体案の提示などです。
いずれも、未経験でできるものではないので、「弁理士」の肩書きは、飾り程度の意味です。

そもそも、コンサルに「弁理士」の資格は不要ですので、
コンサルをやるのならば、コンサル会社に就職して経験を積むほうがよっぽど良いです。
ちなみに、特許事務所で、コンサルを売りにしているところは極わずかでしょう。

なお、中小企業診断士（＋弁理士）というのは有利に働くと思いますが、
未経験ではこれらも、飾りだけに過ぎないと思います。
いずれにしても、弁理士が何をやる仕事なのかをまずは調べるべきでしょう。
ただし、LECなどの語る弁理士像は、あくまで理想像ですよ。