アメリカの話です。軍隊(便宜上軍隊とします)ではないのですが、ブートキャンプ(新兵訓練)式の刑務所はあります。十数年以上前ですが、「サミットショック刑務所」というところのドキュメンタリーを見たことがあります。残りの刑期が数年以内の希望者から選ばれ、数ヶ月の軍隊式刑務所生活をすると残りの服役が免除されます。でも耐えられずに途中で諦めると、サミットショックにいた分の日数が服役に加算されるという仕組みです。 最初は効果があるとされて、そういった軍隊式刑務所(矯正施設・少年院)がたくさんできたそうです。でも、当初計画したより再犯率が下がらなかったんでしょう。それに死亡事故(虐待事件?)などもあり、どんどん無くなっていってます。アメリカは合理性を重視するので、一定期間で効果が見込めないとすぐに中止してしまいますしね。 あと、軍隊式生活でで更生可能なら、そもそもアメリカの軍隊で採用されていると思うんですよ。あの国はいつも戦争をしているので、効果があるなら絶対採用してると思うんですよ。もしも軍隊式刑務所が成功していたら犯罪者の更生も受け入れていたかもしれないですけど。 軍隊内の刑務所(営倉)でも犯罪を犯した兵隊と、普通の兵隊は別々の生活だったはずです。生活を別々にするにはそれなりの施設が必要です。でもそれをしてまで軍隊で更生させようとしても、受刑者と軍隊双方に利益がない。だから軍隊では更生を引き受けてないのだと思います。 そんなわけでわたしは自衛隊に更生施設の役目を担わせるのは現実的に無理かと思います。 参考に https://jp.wsj.com/articles/SB11979503982683104418104582228120755029262 https://sp.fnn.jp/posts/00296700HDK https://blog.goo.ne.jp/okunagairi_2007/e/8a6df5cc831f00db70709ae22e1ee535 蛇足 サミットショックの生活はすごかったです。きつい運動を伴う訓練は当然あります。ロッカーの中を抜き打ちで点検されて、「なんで物が整頓されてないんだ。なんで家族写真が綺麗に等間隔に揃えて貼られてないんだ。」と叱られる。 状況は忘れましたけど、「あー!」と大声を出さないといけない時に、「お前はなぜ声を出さないんだ。」と怒鳴りつけられた上、一人でやり直しさせられる。多分大声を出していなかったわけではないかもしれないけど、教官には絶対服従。 制服が少しでも乱れていると叱られる。 カウンセリングの時間があるのですが、ある受刑者は他の刑務所に服役中の恋人に手紙を出したこと(禁止されている)をひどく責められ、恫喝されて泣きながら退室してました。え?カウンセリングなの?これが?という感じ。テレビを見てるだけの私までちびりそうになるくらい怖かったです。 そのサミットショックもいまは閉鎖されいるみたいです。
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