通勤時間２時間のところに勤務指示がありました。法的に拒否できますか？

Question

通勤時間２時間のところに勤務指示がありました。法的に拒否できますか？

Answer 1

ケースバイケースです。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=18846&hanreiKbn=05
↑この事例では、通勤に1時間43分を要し、かつ、労働者の長男の保育園送り迎えに支障が生じる等の個別事情があったとしても、その配置転換命令は、労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものではないと判示しています。

ですが、ケースバイケースとしか言いようがありません。
なので訴訟を視野に入れないのであれば社労士、特定社労士又は労組へご相談を。訴訟が視野に入っているなら弁護士へご相談を。

Answer 2

拒否はできます。会社がそれに応じるかどうかなだけで。

ただ、訴訟になったときにその転勤の命令が妥当かどうか、というのはまた別の話になります。

簡単に言うと、配転命令が就業規則などで明治されていることで「法的な根拠」となります。

就業規則などで「業務の都合により職場もしくは職種の変更、転勤および異動を命じることがある。命じられたものは正当な理由がない場合はこれを拒否できない」とされているばあい、転勤の可能性はここですでに明記されているのですから、通勤時間などを理由に拒むことは「正当」とは判断されません。

ただ、法的根拠がある、とはいっても会社には「事前に通知すること」や「個人の事情に十分配慮する必要」があるため、例えば持病がある、家族の中に介護が必要な人がいる、子どもが病気がちだ・持病があるなど、労働者の私生活に重大な支障をきたす場合、判例的には「無効」とされます。

よって、結論からいうと、「正当な理由」がなければ、「拒否」はできない、ということになります。

ただ、雇用保険的には「２時間」は通勤困難となるため、それを理由に退職した場合、特定受給資格者となる場合があります。