手待ち時間について質問です。 現在事務員として働いていますが、同じ営業所にいる社員（営業と現場作業員）は私以外全て…

Question

手待ち時間について質問です。

現在事務員として働いていますが、同じ営業所にいる社員（営業と現場作業員）は私以外全ての人がほぼ毎日外出するため、社内外からくる電話や現場で使用する部材等の受け取りの対応をほぼ全て私が一人で行っています。

昼の12時台でも多くはないですが電話や荷物が届くこともあり、その対応をするため基本的にお昼は通勤時に買ってきたものを営業所で食べています。
銀行等でどうしても外出が必要な場合は別エリア（同じ関東圏内の隣県です）にある営業所に電話を転送して対応してもらっています。

会社から電話番をするように言われたわけではないですが、他営業所に負担をかけること、荷物の再配達の依頼をすると受け取りの時間が夕方以降になることから、出来るだけタイムリーに受け取れるよう休憩時間でも電話対応、荷受けの対応をしています。

以前他の営業所（現在電話の転送をしている先）で仕事をしていたときも休憩時間に事務員が電話対応や来客対応するのが当然だったため、今もそうしているといったところもあります。
特に荷物の受け取りは急ぎのものなどは当日早めに受け取って現場に持っていけないと、当月の売り上げにかかわる場合もまれにあるため、休憩時間であっても対応する方を選んでしまいます。

質問の内容ですが、この場合は手待ち時間となるのでしょうか？
事務員がいるのがほぼ当たり前と言うような雰囲気はありますが上司から明確に休憩時間も営業所に居るよう指示されたことはありません。

もし今回の事例に似通った判例がありましたら併せて教えていただけると嬉しいです。

Answer 1

「上司から明確に休憩時間も営業所に居るよう指示されたことはあり
ません。」というのであれば、手待ち時間には該当しません。
なぜならそれは業務命令ではないので、休憩時間として外出しようが
何をしようが自由であるからです。

したがって質問者様のお昼休みは休憩時間であるということになります。

休憩は労働基準法によって定められています。
労働基準法第34条 第4項
「使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。」
とこのようにあります。

ここでいう休憩時間とは、一般に、労働時間の途中に置かれた、労働者
が権利として労働から離れることを保障された時間であると定義されて
います（昭22.9.13発基17号)。そして、権利として労働から離れるこ
とを保障されているか否かは、労働者がその時間を自由に利用できるか
どうかという観点から判断するとされています（昭39.10.6基収6051号)。

すなわち質問者様は、何も遠慮することなく、昼休みは銀行・市役所・
コンビニ等々どこへ行こうと自由ですよ。

仮にやはり会社から、電話の対応や荷物の受け取りを依頼されたなら、
これは待機時間あるいは手待ち時間になります。

この手待ち時間は実際の作業を行っていません。
しかしだからといって、休憩時間のようにまったく労働から解放された
自由時間というわけでもありません。

したがって、ある業務から次の業務までの手待ち時間については、具体
的業務に従事していないものの、使用者の指示があれば直ちに作業に従
事しなければならない状態にある場合には労働時間として認められます。

いくつか判例を紹介します。質問者様の仕事とは違う業界ですが。

Ｋ警備保障事件 大阪地裁 平成16.3.31
拘束時間が18時から9時までの15時間の警備員。このうち5時間が休憩
時間だとされ賃金の支払対象外となっていた。しかし、この待機時間中
は原則として車中で連絡応答し、制服を着用し、担当するユーザーの鍵
の入った鞄を常に携行し、出動の指示があった場合には、即座にこれに
対応しなければならなかった。
会社は、本部からの出動命令は1日に1回あるかないかで、拘束時間の大
部分は自由に過ごすことができたから、5時間の休憩を適宜取ることは可
能だと反論した。
裁判所は、休憩時間といえるのは、食事の時間などせいぜい2時間である
し、残りは労働からの解放が保障された休憩時間とはいえないと判断し
た。よって手待ち時間と認定された。

すし処「杉」事件 大阪地裁 昭和56.3.24
寿司店の従業員が、「労働時間中客の途切れたときに適宜休憩してもよ
い」とされた時間は、現に客が来店した際には即時に業務に従事しなけ
ればならないので、この時間は休憩時間ではない。
よって手待ち時間と認定された。

結論ですが、質問者様の場合は休憩時間であり手待ち時間ではありませ
ん。なぜならば会社の業務命令ではないからです。
だから自由に休憩してもいいんですよ。

質問者様、以上ですが参考になれば嬉しく思います。
正しいことが正解であるべき、私はそう思います。