解決済み
昔(中世?)のヨーロッパでは、お金に関する仕事は汚い仕事だったって聞いたのですが、本当ですか? 銀行、消費者金融、両替屋、会計士、税理士などはすべて汚い仕事ですか?財務省、国税局、税務署に相当するような公的機関の職員もすべて穢れているとみなされていましたか? お金に関する仕事は、日本で言う、穢多や非人のような人がやっていたのですか?
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穢れているか否かという観点ではないですが、会計士については、中世ヨーロッパにおいて神父・医師・技術士・教師などと並ぶ「プロフェッショナル」として認識されていたようです(斎藤博明『ビジネスの論理』<TAC出版>243・244ページ参照)。 ここで言う「プロフェッショナル」とは、Profess(神の前で宣誓する)から派生した名詞であり、〈神の前で宣誓して職業とする知識の専門家〉のことですから、むしろ崇高で高貴な職業であったであろうことが推察できます。 したがって、例示列挙された職業のうち会計士については、汚い仕事とはみなされていなかったのではないかと解されます。
そもそもなんですが、お金に関する仕事じゃない仕事ってあるんですか? 仕事する目的って、お金を稼ぐことなので、どんな仕事でもお金に関するんじゃないですかね・・・ お金に関する=お金を商品としているという定義だとすると、 会計士や税理士はお金に関しているわけではないですし。
聖書に書かれている内容がポイントになると言われています。もの凄くざっくりと要約すると、キリストは『金持ちは天国には入れない』と言い、また両替商を教会から追い出したと聖書に書かれてあるそうです。また、キリスト教徒は同じキリスト教徒から利息を取ってはならないとも定められているようです。 (ここで言う「両替商」とは今で言う両替の他に、お金の貸し借り等も行っていました。) この記述を根拠にして、ヨーロッパ各地の教会では概ね金融業を「卑しい職業」だと言っていました。 一方、ユダヤ教徒(ユダヤ人)は「キリスト殺し」の罪を負う者であるとされ、ヨーロッパのキリスト教社会からは非常に激しく迫害を受けていたと言われています。このため、ヨーロッパのキリスト教の勢力圏にあっては、ユダヤ教徒(ユダヤ人)は土地を所有して農家になることは認められていませんでしたし、職人の組合(俗にいう「ギルド」というやつです)からも締め出されることが多かったと言われています。 このため、半ば必然的に、キリスト教の価値観では「卑しい」とされた金融業を営むユダヤ教徒(ユダヤ人)が増えたと考えられています。 時代を下ると、「ユダヤ人」という呼び名は「高利貸し(金貸し)」と同じような意味をもって使われたという話もあります。どんどん時代を下ると、貨幣(お金)が重要な意味を持つようになってきますから、金融業を営むユダヤ人は豊かになっていきました。 これがさらにキリスト教徒の反感を買う結果に繋がったという説もあるくらいです。 なお、国家機構の中でお金を扱う部門は国家の中でも重要かつ優秀な貴族や官僚が担当することが殆どでしたから、「穢れている」とは考えられていなかったと思われます。(そもそもこういう人達は「表面上は」利息を取るわけでもないですし。) ちなみに、日本の江戸時代にあった「穢多(えた)」と呼ばれた人達の中には、非常に豊かな生活を送っていた人達もいました。一例を挙げるとすれば、「獣の皮を加工する人達」等がそうです。 獣の皮を剥ぎ取る仕事は、非常に「穢れの多い仕事」だと考えられていましたが、一方で獣の皮は特に武士の生活・活動には絶対に欠かすことの出来ない重要な物資でした。このため、その獣の皮は高値で取引されたと言われ、中には大名お抱えの「穢多」さえいたという話も伝わります。 現代社会の価値観においては、仕事の内容や民族で差別的な扱いを受けることは不当なことであるとされていますが、宗教的な問題が絡むと、なかなか難しい問題になりがちなようですね。
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