解決済み
職人と工学博士 以前「和風総本家」というテレビ番組で、ロケットエンジンを製造する三菱重工の工場が紹介されているのを拝見しました。栄えある賞を数多く獲得されていた職人の方々が印象的でしたが、その代表者は、たしか今で言う中学卒業程度の年齢で就業したと聞いて、以下の質問が浮かびました。 モノづくりをする企業ではそのような類稀な技能をもつ所謂職人さんと、大学の博士号を有する人にどのような役割分担の体系を設けているのでしょうか。 よろしくお願いします。
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ロケットエンジンはニッケル合金の細い冷却パイプを溶接して作る精密部品です 溶接は全てX線で深部を撮影して確認します、 これをしないとエンジンが爆発します エンジン技術者の金谷有浩さんがここでロケットエンジンの破裂事故で死亡している 高校卒業して技能資格を学びながら職人をそだてるのです 大学の方は設計ですね、エンジン、ターボポンプの推進系、タンクなど構造体設計、アビオニクスと言われる電子誘導機器の設計、プログラムソフトの設計などです
博士はサイエンスやエンジニアリングなどの知識を用いてテクノロジーを扱います。一方で技能者というのはあなたの言うように職人技のような内容を扱います。 これの違いはテクノロジーというものの意味に隠されています。 まず小保方さんのSTAP細胞の事件がありました。 ここからテクノロジーについて学んでみましょう。 今回はバイオテクノロジーの実験が、論文通りにうまく行かないという事件がありました。何故うまく行かないのかという結論は今回は出されていませんでしたが、原因の1つに論文そのものに虚偽があるということです。嘘をついているのですからその通りに実験が再現できないのは当たり前です。 嘘があるというのは重大な問題ですが、テクノロジーという面から見たら実は再現できないということそのものに重大な問題があります。 サイエンスにしてもエンジニアリングにしても、何か発見があり、その実験方法があるならば、その実験方法を忠実に真似すれば、誰がやっても同じ結果にならなければいけないのです。 例えSTAP細胞が本当に存在したとして、論文に虚偽がなかったとしても、忠実に実験を真似して同じ結果が出ないならばそれはテクノロジーとは言いません。 例えば小保方さんの絶妙な心拍数から来る手の脈拍の鼓動が、物質を入れたフラスコを揺さぶるときにSTAP細胞を生み出す反応に効果的であったというのならば、それでSTAP細胞が本当にできたとしてもそれはテクノロジーではないのです。 もしもテクノロジーと言いたいのならば、その脈拍の鼓動の心拍数を数値にして、更に振動の強さも見つけ、それを機械なり同様の心拍数の人で真似すれば再現できますというところまで落とし込まなければいけません。 つまり博士などが行うことは、発見そのものは難しく高度なことだが、それを誰でもできる状態まで落とし込むために、その方法をとことん追求することです。 一方で職人などは、自分だけができるようなことを扱うのです。STAP細胞が小保方さんだけに作ることができるならば、小保方さんは科学者ではなく職人というわけです。(もちろんSTAP細胞は存在すらしなさそうですが) 職人はそれを実現する方法を知る必要もありません。なんだかわからないが観と経験で出来るというだけでいいのです。 どちらが凄いというわけではないですが、ともかく違いはそのようなものです。 職人とまでいかなくとも技能者というのは、説明はできないがその作業を上手くこなせるという人たちです。 もちろん自分にしか出来ないほどの技能を持つほうが重宝されるでしょう。 研究者が例えばボディの構造を設計するための方法を考案し(計算力学など)、その方法を使って様々な条件のもとでボディの構造を実際に設計する(CAE,CADなど)設計者がおり、その設計通りにボディを生産する方法(生産技術)というものが存在し、その方法を実行する(生産ラインを稼働)ことが可能ならば、これはテクノロジーのみで生産されていることになります。 ボディの構造を設計するための方法が無く、経験や勘しか頼る方法がない場合はそのボディ設計は職人技です。 あるいは設計まではできているのだが、それを実際に形にする方法が無いというのも職人のちからが必要になります。 具体的には重心が完全に真ん中にある球というのは概念上考えられますし、設計もできます。これを実現するためには一様な鉄の塊を球の形に切削すれば作れそうです。しかしそれは実際のところできないのです。 切削の際の誤差や、一様な鉄というものが難しく、これの実現には職人の技が必要です。 砲丸投げの球などは今でもテクノロジーで作られたものより職人が作ったものの方が精度が高く、好んで用いられます。 職人というのは以上のようなものです。 技能者というのは職人技とまでは行かないまでも、実現できない部分を扱っている人たちです。 実現できないというのは、多くの場合技術的に実現はできるが、コスト的に見合わないというものです。 生産ラインの現場では塗装などを手でやっている部分もあります。機械でやる場合には大雑把な部分までしか準備できません。細かいところまで行う技術はあったとしても、お金と時間がかかるのであれば人手の方が良い場合もあります。 コストの割にテクノロジーよりも人の方が優れている場面を技能者が扱うのです。
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