会社の役員が営業経費でプライベートな飲み会の費用を払っていますが、これは不正行為に当たるのでしょうか？

Question

会社の役員が営業経費でプライベートな飲み会の費用を払っていますが、これは不正行為に当たるのでしょうか？私の会社は５年ほど前に当時勤務していた（一昨年退社)A取締役が『営業をとるための接待費は会社の営業経費で払ってもいい』というルールにしました。これがだんだんとエスカレートしてA取締役ともう一人の役員がプライベートな飲み会のお金まで営業経費で落とすようになりました。

手口ですが、私の会社では接待したお店の領収書の裏にどこの会社の誰と飲んだかを記入して経理に出すとその金額が戻ってくるようになっていますが、この役員たちは２人で飲んでいるのに「業務懇談」という名目で営業経費で払ったり、取引先ではないプライベートの友人と飲んだのに、実在する取引先の人の名前を書いてあたかも接待をしたかのように領収書を提出していました。しかし領収書に名前を書かれていた取引先の人がその時間他の会合に出席していたり、領収書に書かれていない人から「昨日はごちそうさまでした」と連絡があったりとつじつまが合わない事があり、このことが発覚しました。

私の会社の経理部はパートさんが領収書の整理や振り込みの手続きをし、実際に収入・支出を確認するのは社長の仕事です。事件発覚前からあまりにも営業経費がかかっているのでパートさんも何度か社長に「おかしいのでは？」と言っていましたが、この社長が面倒な事が嫌いで、かつ、弱気でこの２人の役員のいいなりなので、この不正を注意する事もせずどんどんエスカレートしていきました。

事件発覚後、さすがに私たち平社員が怒り、まず社長を問い詰めた所、一応社長から二人を注意してくれましたが、罰則もなければ返金も求めませんでした。また、私たち平社員は社長を問い詰めただけで、注意する時も社長が別室に２人を呼んで注意したのでどの程度強く言ったのかは分かりませんし、もしかしたら私たち平社員がこの不正に気付いていることも伝えていないかも知れません。そのせいか現在も勤務している役員はお金以外の面では権力を振りかざしやりたい放題です。またこの不正があった一方で私たち平社員はボーナスがカットされたり、アルバイトさんの人数が削減されたりと経費削減はされました。もう耐えられないのですが、そもそも飲み会の経費の件は不正にあたりますか？またこれを理由に役員を解任したりはできるのでしょうか？
ちなみに弊社は社長とこの二人の取締役以外は全員社外の取締役です。

ただ、自分が会社に見切りをつけて転職した方が賢いですよね？

Answer 1

そうですね、私自身が取締役ですが、仰る状況が「改善」されるのは、「百年河清を待つ」に等しいと思いますよ。

法的な事を言えば、立証さえ出来れば、このケースでは役員ですから背任か横領罪が適用できるかと思いますが、それに要する労力は半端なものではないのが通常です。これは例えば、誰かに証言して貰おうと思っても、その交渉・説得って、殆ど不可能と言えます。特に、社外の方だと。憎まれますからね。法廷に立つ事もありますから。

そもそも、その問題の2人がそういう行為に走っているのは、それを規制する力が無い事を見切っているからだと思われます。平たく言うと、「怒る人がいない」って事です。

サラリーマン（役員含む）は、上司以外に怖いものは有りません。特に、悪さをしよう、って人には。そういう人と、部下（直属でなくても）の立場から戦おうとするならば、昨今有効なのが内部告発です。

役員のこのような不正行為をご存知だという事は、貴方は結構中枢の部署におられるのではないですか？

だとしたら、決算書や法人税申告書（別表）等を目にされる機会はありませんか？

ご承知かも知れませんが、企業はその資本金額等によって認められる接待交際費に枠があります。それが目一杯に使われている場合は要注意で、「上がってくる領収書の総額がこれこれだけど、決算書等と食い違いがあるように思える」って、管轄の税務署に連絡するんです。先ずは代表に電話して、「ウチの会社の不審点について告発したいんですが」と言えば、つないでくれますよ。通常、統括調査官以上の偉い人が出てくれます。貴方のお名前等、全て告知して大丈夫です。相手方に伝わる事は先ずありません。税務署はプロですよ。

勿論、仰るように、現場のスタッフが営々として働き、挙げる利益を役員が私的な飲み食いに費消していい道理がありません。しかし一方で、その飲み食いの相手が見知らぬ人でも、「見込み客だ」と言って口裏を合わせられれば反証が困難なのも接交費です。

冒頭で、「百年うんぬん」と言ったのはこういう観点からです。

但し、貴方が移った新規就職先は清廉潔白で同じことがないか、と言えば、悲観的な観測をお伝えせざるを得ません。特に企業規模が小さくなるほど代表自身がそのような体質である、って事も珍しくないと思います。

ですので、行動は是非、慎重になさる事をお勧めします。