学者という仕事について(宮台真司さんを主な例に。) 学者という仕事について基本的な事をお聞きしたいのですが …

Question

学者という仕事について(宮台真司さんを主な例に。)

学者という仕事について基本的な事をお聞きしたいのですが

学者や研究員というのは

例えば社会学という学問でも

その中で研究の専門分野を持っていると聞きます。

社会学者の宮台真司さんを例に挙げると

宮台真司さん
［専門・研究分野］

社会システム理論・権力理論・宗教理論・青年文化論・消費社会論・メディア論・政治社会学など。

とあるのですが

そこで疑問に思ったのですが

学者というのは
一日中 自分の
専門分野の研究に
没頭しないといけないのですか？

宮台さんを例にだしましたが

宮台さんは大変な
読書家で

自分の専門分野以外の社会学、
またはその他の学問
(哲学など)にも精通している感じに受け取れるのですが

時間とはトレードオフですので

専門分野以外の研究 (読書など)に時間を
費やすわけには行きません。

ましてや業務ですし、好き勝手はできないと思うのですが。

やはり宮台さんは
自分の研究専門分野以外の勉強は

プライベートでしているのでしょうか？

自分の就業時間に
専門分野以外の
勉強をしてはいけないのですか？

となると社会学者であれ

社会学全般に精通していないという事も

ザラにありますか？

やはり学者というのは

専門分野に狭く深くというのが基本で

社会学全般に浅く広くなら

一般人として読書するだけで十分でしょうか？

Answer 1

「社会学的な」知識や視点を「一般的に」知りたいなら、「一般人」として読書するだけで十分です。趣味の範囲ですね。
なにかしら「社会学」の最先端の一端を知りたい、学びたいというならば、「大学」にいかれてはいかがですか。
私も一度大学を卒業し、学び直しにもう一度違う大学、違う分野を学びなおしました。私はわざわざ通学しましたが、いまでは「放送大学」というよい機関があります。放送大学の教授陣を見てみると、案外その分野の第一人者がいたりします。放送大学だからといってバカにしたもんじゃないですよ。

あなたは、学問をしないまま、「研究者」という職業を選ぼうとされていますが、それを普通「世間知らず」と表現します。あなたにいま必要なのは「世間に出ること」です。いわゆる「社会に出る」とか「就職する」ということではありません。家の外に出て、いままでと異なる人間関係を新たに構築することです。難しいことでしょう、つらいこともあるかも知れません。でもそれは「普通」です。その中で自分が楽しめること、夢中になれることを探すことが必要であると思います。「大学」はそのような意味で、あなたが「新しい人間関係」をつくるチャンスをくれるところかも知れません。チャンスを活かせない、という可能性もありますけどね。

通常「研究者」はそれを希望してなるような職業ではありません。「それしかできないから」なっていくような職業です。大学や研究機関の「研究者」は論文を一定程度ちゃんと書いて（査読という審査を経て発表するものに価値が置かれています）、もし「講義」などが割り振られていたらそれをこなしてさえいれば、別段何をやっていても良い職業です。自分の専門分野の論文しか普段読まないような研究者もいるでしょうし、乱読しているような人もいるでしょう。特に社会学や文化人類学など社会学系の研究分野の場合、「幅広い一般教養の知識」や「雑学」、「広範囲にわたる学際的な知識・興味・関心」がそもそも身についていないとまともな研究ができません。まぁみんながみんなそんな研究者でないことは事実ですが。宮台さんのあのレベルで宮台さん自身の研究分野以外のところが「精通している」ように思えるなら、あなたの知識が圧倒的に不足しているというだけのことです。研究者にとってあれは「常識」であるべきレベルです。「知ってて当たり前」のレベルなのです。

あなたの「現在の知識レベル」を正確に知ることが大切です。研究者に「しかなれなかった」人は、それゆえに「研究すること」が大好きです、たいていは。そしてあなたの言うように「自分の専門領域はこれだからこれしか研究しない」なんていう研究者は、どんどん淘汰されて職を失っていきます。だってそれでは常に新しい課題・問題に挑戦する＝新しい論文を書く、ということができないからです。もちろんそんなことをしない研究者もなぜだか存在します。でも学問的な「上」を目指す人は、がんばりますよ。だって「それしかできない」んだから。「研究者」という職業は、「これとあれとそれとではどれにしよう」などと選べるような職業ではないのだ、ということをよく理解してください。