臨床心理士と摂食障害の研究について

Question

臨床心理士と摂食障害の研究についてたびたび、友人の代理質問です。

摂食障害を克服した20代半ばの友人が、自分の経験から摂食障害の方の回復のお手伝いがしたいと、臨床心理士を目財したいそうです。

進路としては大学進学(彼女は高卒)→大学院進学→臨床心理士の資格取得・・・で考えているようですが、このような流れで臨床心理士の資格を取得した後、就職もしくは研究職となった場合、どのような機関に進む可能性があるのでしょうか？

彼女も私も知識がなく、ネットの情報だけですといまいちイメージがわきません。

詳しくご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。

Answer 1

摂食障害の研究をするのかお手伝いをするのかで就職先は全然違うと思います。

研究なら大学に残り研究を続けるのが一般的です。
民間で摂食障害の研究だけをさせてくれるところはまれだと思います。
カウンセリングなどを主な仕事とし、個人的に摂食障害の研究を続けるというのであれば、大学に残らなくてもできると思います。

就職した後、摂食障害だけを扱うことは難しいと思います。しかし、摂食障害の治療を専門にしている病院などにスタッフとして就職することは可能かもしれません。その場合、カウンセラーとしての採用は狭き門になると思われますので、どうしてもということであれば介護スタッフなどでの就職も視野に入れなくてはいけないかもしれません。
大学在籍中からボランティアや研修に熱心に通うなどかなり自己アピールが必要かと思います。
多くの心理職がいるなかで、心理士として採用してもらうには相当の努力と能力が必要になるかもしれません。
どこの大学に通うことにするか、そこから慎重に選択したほうがいいかもしれません。

生活面で苦労する可能性があります（副業が必要となったり）。
強い気持ちと体力が必要です。
摂食障害の既往歴がある方とのことですので、あまり無理してメンタルを崩さないよう願っています。
頑張ってくださいね。

Answer 2

臨床心理士になる道を選ばれたのですね。ならばもう「カウンセラーになるのはやめてくれ」とは言いません。

臨床心理士としての就職であるならば，民間は医療関係，福祉関係，企業，学校，相談施設のいずれかになります。
求人は大学院に届くものや，心理職の求人サイトなどに募集がかかります。ただし，大抵の求人は「資格取得後，○○年間の実務経験有が望ましい」などと実務経験を条件にすることが多いです。もちろん「取得見込みでもＯＫ」という求人もありますが，それほど多くはありませんからあまり期待はしないでください。

なので，「摂食障害の方の回復のお手伝い」と考えておられるようですが，臨床心理士なりたての頃は仕事なんて選べません。非常勤であっても，仕事があるだけマシなのです。それだけ狭き門であるということをご了承ください。

研究職の場合，博士課程まで進まなければ殆どの機関は雇ってくれません。その上，仮に研究職に就けたとしても，研究職というのは臨床心理士の現場勤務よりも薄給であることが多いです(一部除く)。大学教授にでもならない限り，食べてはいけないでしょう。その大学教授という職も，多くの業績を残してその世界でそこそこ名前を知られるようになり，非常勤講師などから徐々に昇っていくという形になります。

それと，私の記憶が正しければ独立を考えておられませんでしたか？
臨床心理士としての訓練を受けるようになればわかることですが，なりたての頃は独立なんて無理です。
恐らく多くのケースで「どう対処すればいいんだろう…」と悩むことになります。先輩の心理士に話を伺ったのですが，学校で習うような奇麗なケース(つまり○○障害だけ，と言いきれて療法が奏功するケース)は稀だそうです。多くの心理士は何度も何度もＳＶ(スーパービジョン，先輩心理士や教授などによるアドバイスのこと)を重ねながら成長していくものだそうで。
一人前と呼べるまで成長するのに何年かかるかなぁ，と苦笑しておられたのが印象的でした。

以上です。ご参考までに。