私は、元社会保険労務士会会員で、昨年まで5年間在籍していた者です。 結論から言えば、社会保険や労務部門で、実務経験がゼロ又は2年以下と浅いならば、 社会保険労務士資格だけでは、生計を立てることはまず不可能です。 地元社会保険労務士会http://www.sr-kumamoto.or.jp/ を例にとれば、そんな人口の多い県ではないのに、 会員数は、平成23年現在350名~360名位と多く毎年激増しています。 平成22年度は、入会30名、退会17名です。過去5年間に、退会者数が80名~90名と推定されます。 つまり、入会者の2人に1人、全体会員数に対し過去5年間に4~5人に1人が、 社会保険労務士として生計を立てることを断念して、途中退会したことになります。 (中には、良くて社労士としての年収が数十万円、下手すると一つも仕事なく、業界を去った元会員も多いです。) それだけ社会保険労務士の現実は、生き残りが厳しい世界であります。 社労士は、試験合格後、原則実務経験が2年以上であることが、会員登録の条件ですが、 実務未経験でも、全国社会保険労務士会連合会の主催する 「事務指定講習(中身は、レポート3回提出と4日間の講義のみ)」7万円で、 実務経験が2年以上の代替とみなされ、会員登録することができます。 就職・転職活動に、約50回も官公庁や会社に、履歴書送って、 その過半数は書類審査だけで返送され、結局就職・転職、全部失敗しました。 約5年間開業社会保険労務士として、顧問開拓に努力しましたが、 結局顧問先ゼロ、つまり本物の実務経験ゼロの者に、本格的な労務や社会保険方面を任せてもらえるほど、 世の中は甘くありません。 全国の資格予備校や社会保険労務士会等、資格商法業者の宣伝によれば、 「開業社会保険労務士が顧問先になっている事業所の割合はまだ約30%と少なく、 残り約70%が未開拓なので、とても豊富に、顧問開拓への夢と希望の世界が広がっている。」 と、イカにも将来有望な資格のように説明してあります。 デモ裏を返せば、約70%の事業所から不要なことを、意味しているのです。 おそらく、開業社会保険労務士の誰でも、例えば「商店街の全部を営業しまくった。」 「市内全地域営業して歩き回った」ような経験があります。 新人会員はもちろん、たとえ10年、20年以上のベテランでも営業を続けています。 仮に、市内中心部の商店街を例にとると、仮に東西支部会員の3分の1が「商店街全部の店を営業した」 と推定すると、単純計算で既に80名~100名位が営業済みと仮定されます。 (実際はもっと多いカモ知れない。) つまり、その商店街の7割は、新人会員はもちろん、労務・年金実務経験が長く、人事賃金制度・セミナー講師など過去に実績があり、 営業経験豊富で人脈や社会的信頼など豊富なベテラン会員でさえ、顧問開拓に失敗したことを意味します。 なぜなら、労務や社会保険にて、わからないことがあれば、官公庁や専門サイトをネット検索すれば良く、 手続書類は、直接官公庁サイトからダウンロードすれば良く、相談事があれば、 官公庁サイトにメール送信すれば無料で出来ます。 そして、具体的に官公庁から事業所にアクションして頂きたい段階になって、 初めて直接官公庁に行けば良いので、社労士を顧問にする必要がないからです。 だから、もし新しく開業した会員が、営業しようと考えなら、まず近い場所に開業している、 ベテラン社労士会会員の顔を、思い浮かべましょう。 ベテランの先生方でさえ、顧問開拓に失敗した残り約70%の世界だから、ましてや、 実務経験なく、職業実習訓練すらなく事務指定講習だけで、会員登録しただけの者が、 顧問開拓のできるワケないですよね。 つまり、顧問開拓を成功させるには、既存のベテラン会員を含めた社会保険労務士 並みかそれ以下の能力では不可で、既存の会員の誰よりも優れた顧問開拓術が必要です。 それでも、将来の社会保険労務士としての、顧問開拓の夢を見ますか? それよりも、もっと現実的に安定した収入を得ることを考えた方がベターです。 ペーパーテストだけの無意味な資格取得はあきらめて、今すぐ就職活動されることをお薦めします。 労基署の労働相談員みたいな非常勤の行政協力でさえ1人募集に対して、20名位応募の、 猛烈な人余り現象の開業社会保険労務士になるよりも、 宅配便・宅急便の配達・区分作業など、肉体労働系の現場作業員つまりブルーカラー系の 「社会保険」に加入している「労務者」方が、深刻な人手不足なので、 直ぐに就職できて、はるかに楽に稼げますが、いかがでしょうか?
なるほど:13
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