開業医に質問

Question

開業医に質問(参考：http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1260978527)

（保険適用内診療を行う医師限定）
診療報酬改定のたびに歯科医に限らず、開業医は赤字を出さないようにするのが精一杯（儲からない）と言う話を聞くのですが、実情はどうなのでしょう。入院設備の無い診療所の開業医なら面倒（金を食う）な患者をよそ（入院設備あり）に送れるし、余計なコストを開業医の判断だけで削れるから儲かっているのでは、と素人は考えたりするのですが、入院設備があろうが無かろうが、病院／診療所というのは常に厳しい台所事情を抱えているのが常なのでしょうか（美容～科／保険適用外診療を行う病院／診療所は除外）。

妙に生々しい質問で申し訳ありませんが、差し支えなければ教えて下さい。

補足

「採算が取れる（＝儲かる）」診療科目と「採算が取れない（＝儲からない）」診療科目はあるのでしょうか。

高齢者が増える一方だから前者の代表は内科（？）で、少子化だから後者の代表は産科・小児科でしょうか。

最近、個人経営のはずなのにやたらと標榜する診療科目が多い診療所を見かける機会が多いのは、採算を少しでも取るためでしょうか。診療科目を増やさないと採算は取れない、と言う事でしょうか。

Answer 1

各種発表で示されていますが、病院の経営は壊滅的であり、補助金、繰入金なしの医業収益で、黒字になっている病院はほぼ存在しません。

診療所の場合は、病院よりはマシでなんとか黒字は出ていますが、既にできている診療所が運営するのが精一杯であることは確かです。
個人診療所の医業収支差額の最頻値は月100万～150万であり、院長の手にする収入は、この値から、追加備投資費用、退職金引当金、借入金返済費用、税金を除いた額となります。
新規開業を考えた場合、一般的な診療所を想定すれば、5000万～1億の費用が必要となるでしょう。
自己資金ですべてこなせる可能性は少ないため、借入を行いますが、5000万円の返済をするのには、医業収益の中から仮に月50万返しても、利息があるので軽く20数年～30年掛かります。
途中で身体を壊したり、更なる診療報酬削減があれば、多額の借金で首をくくるしかありません。
とても勤務医の給与には及ばないのです。

新規開業はもう不可能な夢物語に近く、勤務医の過重労働がこれだけ叫ばれている時代にも関わらず、開業医数は減少しています。
世間で思われているのとは反対で、勤務医のほうが開業医より収入が明らかに高い逆転現象になっているからです。

既に閉院＞＞新規開院の状態にはなっていますので、これから数10年のうちにかなりの割合の診療所が、採算があわないため閉鎖することになるでしょう。

各診療科ごとの収支では、産科が他科をかなり離してトップではあります。
しかし正常な医療が行われても、恨まれ訴訟になるのが産科ですから、割にあうかどうかは疑問です。
次いで泌尿器科（透析）、整形、眼科と続き、内科（平均）、精神科、耳鼻科、小児科といった順でしょうか？
皮膚科は保険内の収支は悪いですが、保険外も多く、一概に比べられません。

同じ内科といっても専門により大きく収支は別れ、循環器が高く、呼吸器、アレルギー等は安めです。

どちらにしろ開業医も儲けるどころか、維持するのに精一杯の時代です。

標榜診療科は収益にはあまり関係しません。
何を標榜するかというよりは、どんな医療行為をメインに行うかによるでしょう。

例外として、往診診療所があります。
老人を病院から追い出して、医療費を削減したい国は、往診に高い点数をつけています。
高い点数をつけても入院より安く済むからです。
24時間体制で、往診の援助をするような診療所を作れば、かろうじてまだ採算を取ることは可能かもしれません。
結局梯子を外される（参加医師が増えれば診療報酬を大幅削減する）のは目に見えているで、いい加減踊らされる医師も少ないですが…

Answer 2

＞実情はどうなのでしょう。

実状は病院によります。

＞入院設備があろうが無かろうが、病院／診療所というのは常に厳しい台所事情を抱えているのが常なのでしょうか

病院によります。

＞「採算が取れる（＝儲かる）」診療科目と「採算が取れない（＝儲からない）」診療科目はあるのでしょうか。

採算の取れない診療科目はありません。
要はやり方です。

＞高齢者が増える一方だから前者の代表は内科（？）で、少子化だから後者の代表は産科・小児科でしょうか。

その考えは浅はかです。

＞採算を少しでも取るためでしょうか。

必ずしもそうとは断言できません。

＞診療科目を増やさないと採算は取れない、と言う事でしょうか。

必ずしもそうとは断言できません。