簿記2級で本支店合併財務諸表の作成についての質問なんですが、貸借対照表の資産の部の商品の数字はどう求めるのですか？

Question

簿記2級で本支店合併財務諸表の作成についての質問なんですが、貸借対照表の資産の部の商品の数字はどう求めるのですか？

Answer 1

期末の貸借対照表だとしてお答えします。

２級の本支店合併貸借対照表の商品であれば、
内部利益が関わってきます。

基本は、
期末商品（実地）＋未着商品－内部利益
で求めます。

内部利益の求め方は、
（支店の期末商品に含まれる本店から仕入れた商品＋本店からの未達商品）÷（１＋内部利益率）×内部利益率

例１：
期末商品棚卸高：本店500,000、支店350,000（うち144,000は本店からの仕入れ分である）
未達事項：本店から支店へ発送した商品48,000が、支店へ未達である。
本店から支店へ発送する商品の価格には、原価の２０％の利益が加算されている。

内部利益の計算
（144,000＋48,000）÷（１＋０．２）×０．２＝32,000
期末商品の金額
500,000＋350,000＋48,000－32,000＝866,000
答え：866,000

応用問題で棚卸減耗費がある場合があります。
これは冷静に対処してください。
この棚卸減耗費に含まれる本店からの仕入れ分が示されているはずなので、
その金額を上記の内部利益の式の支店の期末商品から控除して計算すれば良いだけです。

例２：
期末商品棚卸高（実地）：本店500,000、支店350,000（うち144,000は本店からの仕入れ分である）
棚卸減耗が本店50,000、支店30,000（うち12,000は本店からの仕入れ分である）
未達事項：本店から支店へ発送した商品48,000が、支店へ未達である。
本店から支店へ発送する商品の価格には、原価の２０％の利益が加算されている。

内部利益の計算
（144,000＋48,000－12,000）÷（１＋０．２）×０．２＝30,000
期末商品の金額
500,000＋350,000＋48,000－30,000＝868,000
答え：868,000

Answer 2

日商簿記２級取得者です。

商品の売上原価算定は本支店会計の難所ですね。

例：
期首商品棚卸高（T/B繰越商品）
本店：1,000円・・・①
支店：520円（うち、本店からの仕入分220円）・・・②
期末商品棚卸高
本店：2,000円・・・・⑤
支店：1,030円（うち、本店からの仕入分330円）・・・⑥
そのほかに本店から支店への未達商品が110円ある。・・・⑨
（※注）本店から支店への商品発送時には原価の10％の利益を乗せている。

Ⅰ：期首
【本店分】
①より、1,000円
【支店分（外部仕入）】
②の520円のうち、220円分は本店からの仕入分です。
よって、外部仕入は、520-220=300円・・・③
【支店分（内部仕入）】
内部の仕入商品に関しては、（※注）より内部利益が含まれているので、除去します。
内部利益：220×0.1/1.1=20円・・・・（★）
220-20=200円←内部利益を乗せる前の価額・・・④
【合算】
①+③+④=1,500円・・・・P/L期首商品棚卸高

Ⅱ：期末（途中までは期首と同じです）
【本店分】
⑤より、2,000円
【支店分（外部仕入）】
⑥の1,030円のうち、330円分は本店からの仕入分です。
よって、外部仕入は、1,030-330=700円・・・⑦
【支店分（内部仕入）】
内部利益：330×0.1/1.1=30円
330-30=300円←内部利益を乗せる前の価額・・・⑧
【未達商品】
未達商品にも同様に内部利益が乗っかっていますので、除去します。
⑨の110円が未達商品の金額
内部利益：110×0.1/1.1=10円
110-10=100円←内部利益を乗せる前の価額・・・⑩

【合算】
⑤+⑦+⑧+⑩=3,100円・・・・P/L期末商品棚卸高、B/S商品残高

期首+当期仕入-期末で売上原価を算定していくことになります。

※ちなみに、T/B上に「繰延内部利益」があれば、それは前期に繰り越されてきた内部利益ということになるので、T/B上の支店の繰越商品勘定から、繰延内部利益を引いてあげれば、「支店分の」P/L期首商品棚卸高となります。上記例で言うと（★）の金額が繰延内部利益です。

ご参考になりましたら幸いです。