権利変換計画とは、建て替える前のマンションに関する様々な権利(従前の権利)を建て替えた後のマンションに付け替える(従後の権利に変える)計画のことです。 従前の権利とは、区分所有権、借家権、抵当権などであり、これが従後にどうなるかを定めた計画です。 例えば、従前のマンションの101号室(80㎡)に対し、Aさんが所有権を持ち、B銀行が抵当権を付けているならば、従後は201号室(70㎡)のうちの4/5をAさんが所有し、B銀行が引き続きAさんの所有部分に対して抵当権を付ける、などのことを記載するのです。この場合はAさんが残り1/5を買い増すならば、それも定めます。 あるいは、従後は202号室(40㎡)を所有し、別途500万円を受け取る、などもあります。 マンションの建て替えとは、簡単に説明すると、従前の所有者達が組合を作って組合が一旦全戸を買い取り、解体、建築を行って補助金を受け取り、各戸の値段を定めて従前の所有者に売り、残りをデベロッパーに処分するという考え方なのですが、本当に売り買いをすると税金がかかるので権利変換という手法を取っています。 自治体から補助金がもらえるので有利な手法です。
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マンション管理士を勉強されている方ですか? 私は第一回の試験合格者です。再開発プランナーも第一回合格しています。技術士(建設部門)です。 さて、 そもそもどういう計画ですかという御質問ですね。 他の皆さん方が既に色々な側面から回答なさっているので私はどうお答えしたらよいのか迷うところですが、箇条書きにしてみましょうか。 1)端的に言えば、権利を変換する計画。権利変換のための計画です。つまり、建て替える前のマンションにある権利(従前の権利)をマンション建替事業で作る新しいマンションの権利(従後の権利)に置き換える計画 ですね。morikei120さん も同様のことをおっしゃっています。具体的な良い回答と思います。 2)従前の権利とは、建て替える前のマンションの区分所有権と敷地利用権、それに付随している抵当権などの権利が該当します。ここのところは市街地再開発事業の権利変換とちょっと違いますね。土地はあくまでも敷地利用権です。 3)従後の権利とは、マンション建替事業で作る新しいマンションの区分所有権と敷地利用権、それに付随している抵当権などの権利となります。マンション建替えは従前も従後もマンションなので同じ種類のもの(区分所有権と敷地利用権)を変換する形になります。従前従後の違いは、共用部分や敷地利用権の持分。住戸部分の全体量が変わることが多いので、個々の住戸の専有面積に変化がなくても、共用部分や敷地利用権の持分が変わることです。場合によっては、道路の拡幅などで敷地が減ることもありますが。 4)敷地利用権とは、勉強済みの方には釈迦に説法ですが、マンションを所有している区分所有者がもっている敷地の権利のことで、借地権マンションの場合は、借地権の持分となります(借地権がついている土地の所有権を底地権とか底地とか言うことがある)。したがって、借地権マンションの場合、所有権(底地権)は対象とはならないことに注意してください(権利変換せず、そのまま残る)。普通の敷地が所有権のマンションの場合は、所有権の共有持分が権利変換の対象となります。 5)権利変換計画には、いわゆる転出者も登載されます。新しいマンションに区分所有権等を移さない人のことです。マンション建替事業が開始されますと、「権利変換を希望しない旨の申出」の受付が30日間ありますから、その期間内に転出を希望する方は申出を出すことによって、補償金を貰うことができるようになります。権利変換計画には、従後の権利は記載されませんが、補償金の算出の基になる従前の権利の価額は記載されています。 6)権利変換は、権利変換計画に基づいて行われます。具体的には、下記の手順で行われます。 -1 権利変換計画の作成 -2 総会での権利変換決議(売渡し請求・買取り請求) -3 権利変換計画の同意 -4 権利変換計画の認可申請 -5 権利変換計画の認可 -6 マンション建替組合又は個人施行者による認可公告・権利変換通知 -7 登記所への権利変換期日等の通知 -8 転出者への補償(75条補償) -9 権利変換期日における権利変換(敷地利用権取得・区分所有権譲受け権取得等) -10 権利変換登記(従前権利、従後敷地利用権) (この間で工事実施) -11 建築工事の完了公告(新しいマンションの区分所有権の取得) -12 再建マンションに関する登記(従後区分所有権) -13 価額等の確定 -14 清算 7)重要なのは、建物が完成する前に権利変換が行われてしまうことです。新旧は権利変換計画に記載された権利変換期日で切り替わります。それから、従前マンションが取り壊され、次に新しいマンションの建設工事が行われ、完成後、実際に権利変換計画に書いてあるとおりの住戸に再入居することになります。 8)権利変換は、転出者以外は要は「物々交換」なので差額以外の金銭授受が生じない仕組みになっています。権利変換計画は物々交換の計画といっていいと思います。この点、morikei120さん の御回答はすばらしいものですが、「組合が一旦全戸を買い取り」とお書きになったところは実際「買う」のでないし、代金が支払われるのではないので誤解が生じる可能性があります。補助金については地元の自治体がそういうことをしている場合に限り、しかも色々と条件が付くことになりますので必ず貰えるものではありません。それについても御注意ください。 そもそもどういう計画ですかという御質問なのに難しくなってしまいました。他の皆さんの回答のほうが分かり安いと思います。 それにしても、回答者の皆さんは、よく勉強なさっていますね。
マンションを建替えるには総個数や間取り、土地の持分など色々と変化があるわけです。 40戸のマンションをぶっ壊して、まったく同じ40戸のマンションを建てるのは技術の進化や当該地の都市計画の変更などで殆どありません。 大概のマンションは建蔽率が変ったり、居なくなる人がいたりしますからね。 そんな時、誰がどれだけの権利を持つのかを決めなければなりませんよね。 権利っつーのは簡単に言えば「どの部屋に住むか」です。 最上階に住みたい人も居れば3階に住みたい人もいる。 もっと大きな部屋を欲する人や小さな部屋に移りたい人。 そういう諸々の希望を金銭で調整しながら計画するんです。 そんで、衡平原則(不平等がないように)とか近傍のマンション価格を考えながら ・どこに ・どんなマンション ・誰がどの部屋 ・敷地利用権の割合 ・借家人の名前 なんかを都道府県知事に対して「これで良い?」と認可を求めるんです。 詳しく書くとすげー長いです。
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