1. 減損の兆候の観測 減損の兆候がなければ何もしません。本問では「減損の兆候がみられた」とあるので減損の認識をします。 2. 減損の認識 固定資産の帳簿価額≦その固定資産が生み出すキャッシュ・フローの割引前価値+残存価額の割引前価値 であれば何もしません。そうでない場合は減損を測定します。 固定資産の帳簿価額: 6,400,000 (=建物4,800,000+機械装置1,600,000) キャッシュ・フローと残存価額の割引前価値: 3,800,000 (=年ごとのキャッシュ・フロー1,000,000×3年+残存価額800,000) 6,400,000>3,800,000なので減損を認識します。 3. 減損の測定 キャッシュ・フローと残存価額の割引前価値は、固定資産を使い切った時点での収入額を指すので、現時点からその時までの金利効果が含まれています。したがって、簿価を切り下げる場合は、現在価値に直さなければなりません。 また、固定資産は使い続ける以外に、その場で売るという選択肢があります。その方が儲けが出る場合はさっさと売却すべきなので、簿価はそちらに直します。言い換えると、 次のうち高い方になるように固定資産簿価合計額を修正する (回収可能価額という) A: 使用価値 (=キャッシュ・フローと残存価額の割引後現在価値) B: 正味売却価額 (=時価-処分費用) A: 3,087,904 (=1年後のキャッシュ・フロー現在価値1,000,000÷1.10 +1年後~2年後のキャッシュ・フロー現在価値1,000,000÷1.10² +2年後~3年後のキャッシュ・フロー現在価値1,000,000÷1.10³ +3年後の固定資産残存価額800,000÷1.10³) B: 2,300,000 (=時価2,500,000-処分費用200,000) Aの方が高いので使い続けることにします。 4. 減損損失の按分 減損損失の合計額は3,312,096 (=帳簿価額6,400,000-切り下げ後価額3,087,904)になるので、費用計上します。 減損損失 3,312,096/ 単独の固定資産であれば貸方にその固定資産勘定の減少(または減損損失累計額)を書けばよいのですが、本問では資産グループを形成しているため、現在の帳簿価額の比と同じになるように按分します。建物の減損損失額をx、機械装置の減損損失額をyとおくと、 x+y=3,312,096 … ① x:y=4,800,000:1,600,000 … ② となるので、この連立方程式を解きます。 (x, y)=(2,484,072, 828,024) となるので、これを書きます。 減損損失 3,312,096/建物_ 2,484,072 _________ /機械装置 828,024 連立方程式が難しい場合は、按分の公式を使います。 (固定資産Xの減損損失額)=(減損損失合計額)×(Xの簿価)÷(Xの簿価+Yの簿価) (固定資産Yの減損損失額)=(減損損失合計額)×(Yの簿価)÷(Xの簿価+Yの簿価) で計算できます。 あとは、 建物の減損後の簿価=建物の元々の簿価-上記仕訳の建物減損損失額 機械装置の減損後の簿価=機械装置の元々の簿価-上記仕訳の機械装置減損損失額 で計算してください。
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