解決済み
前提として、「会社の就業規則やその他規定」と、民法や労働基準法の条文のどちらが優先されるか? については、 原則、民法や労働基準法の条文が優先です。 ・今回、問題となっている、 1.在職中に損傷させた備品の費用の弁済 と 2.資格取得の会社負担の費用の弁済 は、 根拠となる民法の条文が異なります。 1.在職中に損傷させた備品の費用の弁済 ・民法では、 民法709条(不法行為による損害賠償請求) 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う とあります。 つまり、 ●質問者様が、「故意に、また重大な過失による理由で」会社の備品を損傷させた場合は、 損害賠償の責任を追うことになりますが、 これは一般論なので、 ●問題になるのは、 「実際の過失がどの程度なら賠償責任があるのか?」 です。 これは「ケース・バイ・ケース」としか言えません。 ●従業員の事故や過失による損害賠償額は、 判例によれば、被害額の25%が最大のようです。 解説ページ 『従業員が会社の備品を破損…全額賠償請求できるのか?』 https://vs-group.jp/equipment-damage/ 『民法709条とは?損害賠償請求について具体的事例でくわしく解説』 https://www.adire.jp/lega-life-lab/article-709-of-the-civil-code137/ ・また、質問者様が損害賠償をしなければならないとなっても、 ●損害額の給与天引きは、 違法です。 「労働者が、会社に損害賠償責任を負う場合であっても、会社が一方的に損害額の分を差し引いて給与を支給することは禁止されています。〔労働基準法第24条第1項〕」 解説ページ 『会社の物を壊したら弁償しなければいけないのか』 https://www.tama5cci.or.jp/hp/yanagida/?p=2771 ●ケース・バイ・ケースなので、 労基署に相談された方が良いと思います。 2.資格取得の会社負担の費用の弁済 結論から言うと、 ●社員が会社負担で資格取得をし、会社がその後に退職する社員に対し、資格取得費用の返還を求めることは労働基準法違反になります。 →労働基準法16条(賠償予定の禁止)に抵触し、 返還を求めることはできませんし、 このようなルールを定めておくことも無効となります。 労働基準法 第16条(賠償予定の禁止) 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。 解説ページ 『退職者に資格費用・士業登録費用の返還を求めることはできる?』 https://matsusaki-office.com/2023/04/13/sikakuhiyou/#:~:text=%E9%80%80%E8%81%B7%E8%80%85%E3%81%AB%E8%B3%87%E6%A0%BC%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%AE%E8%BF%94%E9%82%84%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%E9%81%95%E6%B3%95%EF%BC%81,-%E7%B5%90%E8%AB%96%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A8%80%E3%81%86&text=%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%8C%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%81%A7,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%82%E7%84%A1%E5%8A%B9%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 ●今回の件は、 1.在職中に損傷させた備品の費用の弁済 と 2.資格取得の会社負担の費用の弁済 の両方について、 労基署にご相談されたら良いと思います。
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