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トレーナーになろうとする人が大学や専門学校に入学したいのは国家資格さえ取れば食っていける方法も教えてくれると勘違いしているからです。民間資格ですら強みになると思っていたりします。でもちょっと算数ができれば毎年業界に参入する人達を受け入れるキャパが業界に無いことぐらいわかります。 プロトレーナーは要は結果が出すことができるなら資格なんて関係ありません。大手企業などの専属トレーナーは即戦力が要求されます。新卒トレーナーの練習台に選手が使われることはあり得ません。プロスポーツの世界で貴方に要求されることは「明日の試合は大事だから、最高のパフォーマンスを出せるようにしてくれ」です。しかし医者からは安静を指示されている。そこをなんとかする方法なんてどこからも習いません。先輩も自分の技術を流出させるような愚かな選択はしません。自分が「あ、それ。できないなら俺がやります」でいいんですから。そして来期は君はクビにされ、先輩は君の分の給料UPして残る。それだけですよ。 もう一つ言うと、スポーツ受傷に対する治療の引きだしは理学療法士が圧倒的に持っています。というのは柔道整復師間で教え合うことはありえません。 アナタが仮にどこかで秘技を学んだとします。で、それを誰かに教えたら、誰かさんは自分の秘技にアナタの秘技を加えて、もっと強くなります。そうすれば有利なプロスポーツに好条件で入れる可能性はアナタより増します。そんなバカはいません。だから先輩の技術を盗むしかありません。 一方、理学療法士は基本、病院勤めです。東京オリンピックでも多数がスカウトされましたが「面白くない」とほぼ全員がスカウトを断りました。だから「スポーツ傷害を対象とする治療者」が秘技を知り合いの理学療法士自慢しても自分が失業するリスクは限りなくゼロです。そうすると腕自慢は同じ業界のプロから説明無しで賞賛されたいので、謙虚な理学療法士は様々な業界関係者の秘技を学びたい放題です。 なら活躍されているトレーナー諸氏はどうやって身につけたかですが、私が絶句したエピソードを一つ。友人の柔道整復師(鍼灸指圧マッサージ師資格持ちのダブルライセンス)がプロトレーナーになりたいと思って、教員の勤める整骨院に就職した。 曰く「俺、2500円しか貰っていない。せめて税金減らす方法知らないか?」「いや、時給なら多いでしょ。日給2万円だよ」「日給だよ。役者になりたいからと劇団に所属しても時給千円はもらえないでしょ。同じで『修行』だから労働基準の外なんだって」「ということは時給300円?」「だったらまだいい、掃除含めて半日拘束されるから200円。そこから税金などを引かれる。だから未だに親から小遣いに衣食住たかっている。給料は奨学金返済に全部消える。」「休みは?」「ない、というのは休日にスポーツ関係にボランティア活動するから」だからせめて「税金など少しでも安くならないか」 という世界で実績を積んでください。 あと、ご存じかと思いますがアスレチック・トレーナーには二種類あり、どちらも養成課程で取得できるというコースがあります。しかし養成課程を経由しないとき、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定のアスレチック・トレーナー「JATAC-ATC」は医療系国家資格持ちなら学会で発表とか参加とか面倒なことはありますが修了テストもない資格なので履歴書一行資格です。(はっきり言うと資格というよりも称号に近い)それより日本体育協会認定の公認アスレティックトレーナー「JSPO-AT」はまだ条件が厳しいのでJATAC-ATCより一目置かれます。それよりいっそのことアメリカの大学もしくは大学院の適応コースを修了が義務付けられるNATA-ATCはどうですか? スポーツ業界で生きていこうとするなら、養成課程で習うことはほとんど無駄ですし、アスレティックトレーナーの実技はないです。お客様は健康なスポーツ選手じゃなく色んな故障を抱えた中年と高齢者です。だから基礎医学を学ぶために資格をとるのは賛成ですが、興味の無い無駄な勉強をやり過ごす必要があります。頑張ってください。
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