解決済み
市役所のケースワーカーの職員ってハードな仕事だと聞いたことがあります。中には一番辛い部署だという意見も良く聞きますが、本当なのでしょうか?
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市役所の仕事で職員から最も敬遠されるのが、3位・廃棄物、2位・徴税、1位・生活保護のケースワーカーと聞いたことがあります。生活保護のケースワーカーは社会福祉法の規定で、大学で法学、倫理学、社会学などの文系科目を3科目以上履修していないないとなれないことから、古い時代の中卒~高卒職員が多い自治体だと、たまたま大学の一般教養で上記の科目を履修してしまった新卒が配属されることになります。 生活保護というのは、昔は知的障害者や精神障害者、身体障害者などのうち、身内の援助が受けられず、障害年金なども無い、限られた人が受けていました。そういう人の処遇は新卒の社会経験ゼロの新人でもなんとか対応できたわけです。 ところが、社会が変わり、いろいろな貧困層が現れました。家族間の助け合いもなくなり、容易に生活保護に落ちてしまう人が増えました。①離婚した母子家庭、②家庭内暴力から逃げている母子家庭、③覚醒剤後遺症の若者、④ホームレス、⑤派遣切りにあった人、⑥ゼロゼロ物件を追い出された人、⑦多重債務者、⑧消えた年金の被害者、⑨中学で妊娠出産し家を追い出されて行く場のない少女、⑩境界性人格障害者、⑪暴力団員、⑫闇金から逃げている人、⑬働いても働いても生活していけいないワーキングプア、⑭雇用保険に違法に加入させてもらえない失業者、⑮違法に社会保険に加入させてもらえない傷病者、⑯アルコール中毒患者、⑯包丁を持って暴れている精神分裂病患者、⑰アスペルガー障害、⑱解離性人格障害、⑲ニート、ひきこもり、⑳電車への飛び込み自殺者、21.行旅死亡人の対応、22.身寄りのない在宅の徘徊アルツハイマー病患者、23.交通事故(ひき逃げ)にあって、出勤できず解雇された人、24.労災にあったが、会社が労災を隠し解雇された人、25.記憶喪失の人、26.家族に見捨てられ病院に置き去りにされた植物状態の母親、27.働き盛りの夫を亡くした社会経験の乏しい妻 28.ごみ屋敷の住人、29.うつ病で自殺未遂(これらは本や人から聞いた実際にあった話です。)・・・ こういういろいろな人の生活の面倒をたった一人で80世帯から120世帯(世帯ですから、人数にすれば100人~150人くらいでしょうか。)も抱えなければならないのが、生活保護のケースワーカーです。もしあなたが22歳の若者で、いきなり「この人の面倒、見てあげてね」と言われたらどうしますか?わからないでしょう、普通。去年まで、普通の大学生だったんですから。法学部を出ていたって、大学の学問なんて役に立たないのです、現場では。 ケースワーカーは家庭訪問が主たる業務ですが、上記のような人の生活の面倒をみるのが実際の業務で、家庭訪問に行ったら練炭を焚いて自殺していたりとか、ゴキブリにまみれて寝ていたりとか、とにかく不潔な人が多いらしく、まぁ、大変な仕事らしいですね。 上司は通常、査察指導員(スーパーバイザー。SV)がケースワーカー8人につき1人配属されます。そのSVが未経験者である場合も多く、そういう場合は、ケースワーカーは底知れぬ重荷を背負うことになります。通常はつぶれて、折角の公務員の仕事を捨てるか、うつ病になるか、はたまた、仕事を適当にやりすごし、税金を無駄に支出しながら、ひたすら人事異動の日を待つようになります。こういう仕事ですから、福岡県の北九州市や埼玉県の三郷市のように水際作戦、硫黄島作戦を実行し、貧困者の生活なんか関係ねぇ、余計な仕事を増やしてくれるな、これ以上重荷を増やさないでくれ、という自治体・職員が出てきてしまってもしかたないのかもしれませんねぇ。 社会人1年生に上記のような特殊な人の面倒を見られるわけがないのですが、見させてしまっているのがお粗末な日本国の社会福祉の実態です。 本来であれば、社会福祉士や精神保健福祉士が、それも人生経験を積んで思慮が円熟した、40~50歳代の職員が配属されるべきなのです。しかし、市役所の40~50代の人は地方に行くほど学歴が低く、社会福祉法の規定を満たしておらず、結局、未熟な若いケースワーカーが、大変な重荷を背負わされているのです。ケースワーカーも受給者も納税者も、厚生労働省のお粗末な政策の被害者なのです。 【参考文献】 生活保護が危ない~最後のセーフティーネットはいま~ (扶桑社新書 33)
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