現在は募集要項の中に事前訪問が制度化されていて、受験生が知ることができますが、以前は何も情報がなく、2次試験合格発表後に各省庁の面接を受ける合格者が多数いました。 東大など事務官も技官も多数合格する大学では、学生サークルとして公務員試験対策の研究会などもあり、採用までのシステムが共有されていますが、都心の大学と言っても、東工大などの事務系の合格者がいない大学では、大学内部では、そういうシステムについては何の情報も伝わっていませんでした。 そういう意味では大学間での不公平がありました。 とくに、地方大学からの受験生にとっては圧倒的に不利でした。 それをなくすために、現在は募集要項の中で周知させているのでしょう。 2次試験の結果発表前に官庁訪問が始まるのは、2次合格発表後の各省庁の面接開始期日からでは、面接希望者が殺到して十分に採用者を見分けることができないことと、各省庁で一斉に採用面接が始まると、<合格順位上位>の人物は各省庁の取り合いになるので、事前に見つけておきたいのです。 現在は、何回まで訪問できるのかはわかりませんが、少なくとも一回は訪問しておくことが、合格者にとっても採用する側にとっても、お互いを知ることができるのではないかと思います。 採用する側の態度は、多くの受験生の中から、あらかじめ採用したい人物を見極めることができますし、受験生にとっては、自分が採用候補者のリストに載っているのかどうかを知ることができます。 たとえば、省庁側は、訪問してきた受験生一人一人の面接資料を作り、採用したい人物のおおよそのリストを作っているのです。 2次試験の結果発表を見て、その人物が合格していれば有力な採用候補者になり、合格発表後に初めて面接に訪れた人物よりも優れているならば、採用することになります。 一般的には事務職での合格者は中央官庁に就職する意思がつよいので、ギリギリの人数を発表しますが、技術職での合格者は、民間企業との掛け持ち受験や大学院進学などの受験者が多いので、予定数よりも数倍の発表をしているようです。 ここで、重要なのは<合格順位>です。 省庁は人物を見て採用するかどうかを決めます。 事前の省庁訪問で採用候補者リストに載っているような人物は、合格さえしていれば採用されることがい多いでしょうが、事務官の採用が主体の省庁によっては合格順位も見ているようです。 技官の採用についても人物主体で行われていると思いますが、合格者が多い場合は、やはり合格順位は大事だろうと思います。 現在は制度が変わり、大学院博士課程修了者から行われるようになった、国立研究機関の研究員採用も、公務員試験合格者の中から行われていた時代がありました。 当然、国のトップの研究者を採用しなければならないので、現在の博士を採用する制度になったのですが、現状を見ると、大学4年卒の公務員試験上位合格者から採用して、研究官として採用された後で学位論文を提出する人材のほうが、博士課程出身者よりも優秀です。 ここにも、国が続けてきた<国家公務員採用試験>の意義が表れているようです。 人事院が行う公務員採用試験合格者は、順位をつけて発表されますが、合格者リストは原則的に非公表です。 もちろん採用したい省庁には知らされるので、事前の面接で決まらなかった省庁や研究所は、<合格順位第一位>の人物から順番に電話をかけ、入省を働きかけるのです。 ここでの順位は、<ネットヲタク>が金科玉条としているような、<センター試験偏差値の大学ランキング>とは無縁のものです。 <入学させる、あるいは、入学したい側からのランキング>と<優秀な人物を採用したい側からのランキング>の違いです。 当然、<優秀な学生を輩出している国立大学>が上位に並びますし、<有名ではあっても、学力が劣る私立大学>は合格していても、下位に集中しますので採用には至りません。 これが厳然たる事実です。 <納税者>にとっては、<当たり前のことが、当たり前に行われているのが、国家公務員採用試験である>と思います。
官庁訪問は、これまで何度か制度が変わっています。 質問者様がご指摘の「最終合格発表後に官庁訪問解禁」も、かつて行われていました。 現在のやり方になったのは2019年度からで、例えば直前の2018年度は8月21日が人事院の最終合格発表、8月22日が官庁訪問解禁でした。 (2020年度は、新型コロナの影響でスケジュールが大幅変更になったので参考外)
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