教育関係公務員をやっております。 非常に興味のあるテーマなので、私論を述べさせていただきます。 単刀直入に言うと、近い将来、潰れる手前になる国立大学は出現します。確定的です。 首都圏、関西圏、名古屋圏、その他政令指定都市内、以外の国立大学だと、現時点でも既に学生集めに躍起になり、火の車の操業になっているところは多いです。 標準学費を超えて、「私学かよ!」と思うようなボッタクリ学費を設定する国立大学も複数出現しています。 そこからも分かるように、今の日本の教育政策下における運営交付金・科研費と、2019年で89万人という笑えない出生数(率)を踏まえれば、国公私関係なく、大学存立危機事態に瀕していると言えます。今既に、です。 ろくな研究も出来ないので研究機関としての役割も果たせず、運営は火の車なので設備投資もままならず、だから大学としての魅力が向上しないので学生が逃げる、というループは比喩でも何でもなく今直面している課題です。 しかし、それでも「潰れる手前になる国立大学は出現する」という表現にしたのは、国立大学が存在する理由によります。国立大学、特に地方国立大学は、その地方における高等教育をリードする存在として設立されました。 日本全国に東大京大があれば日本中が超絶優秀になりますが、そうもいかないので、一定程度の教育水準をどの地方でも確保するため、小中高教育の延長として、設置されています。もちろん研究機関ではありますが、どちらかというと研究者育成よりも、各地方にける地場エリート(優秀な公務員やビジネスマン)を教育するのが主な目的です。 つまり、経営難だからという理由で簡単になくしてはならないモノなのです。 もちろん、教職員の待遇は悪くならざるを得ません。私立大学と違って、あくまで公務員的な身分なので、人事院勧告の影響を間接的に受けるため、仮に運営がうまくいっているからといってそう簡単に給料は上げられません。逆に、公務員ではないので、運営がうまくいっていないなら公務員より簡単に給料を下げられます。 法律に基づく身分保障も無いので、国立大学教職員は、今後は「公務員と比較すれば」虐げられた感のある待遇になると予想されます。 しかしそれでも、繰り返しますが簡単になくしてはならないものなので、(これも既にある流れですが)規模縮小や法人統合は加速し、小さくまとまっていくでしょう。 その中で各大学が特色を探っていくことになります。 同じ地域に複数の国立大学があるならば、うちの一つは総合大学として従来どおり地域エリートを育成し、別の一つは特定分野に特化した生涯学習に力を入れることになるかもしれません。ターゲットを18歳程度の若者から、一般社会人から高齢者にまで広げる大学も出現するでしょう。 そういった新しい流れに乗ることを国が後押しするので、私学と違ってやはり当面は潰れません。 なので、あなたが大学教育・大学行政・大学政策に強い関心があるのでなければ、そのまま公務員になるのがお勧めです。公務員の身分保障は超強固なので、国立大学職員より安定です。 しかも、現時点でも国立大学職員の給与は国歌公務員に比べて5%以上安く、酷いと20%近く安いです。 逆に地方公務員は、一般市町村でも多くは国家公務員マイナス2%程度に収まっています。 大学に思いいれがないなら、国立大学職員はお勧めしません。思い入れがあっても、私立大学をお勧めします。国立大学職員の給与はホントに安いです。
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残念ですが、未来は明るくないでしょう。 国立大学法人は税金で支えられている以上、政治の意向を免れません。「国家公務員給与削減法案」が通過した際、国立大学法人職員の給与は40万円程度下がったという報告があります。 https://blog.goo.ne.jp/la_old_september/e/0c388e8484cb517acaedcdb667c9a28e また現在、小樽商科大学・帯広畜産大学・北見工業大学の統合、静岡大学・浜松医科大学の統合、名古屋大学・岐阜大学の統合といった国立大学の統廃合が進んでいます。当然、1法人に複数法人分の職員は必要ありませんから、出向や早期退職を募ることになるでしょう。 国立大学法人職員の未来は暗いと言わざるを得ません。
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