海外の大学卒業者が日本でアクチュアリーになるにはどうしたらいいのでしょうか？

Question

海外の大学卒業者が日本でアクチュアリーになるにはどうしたらいいのでしょうか？日本でアクチュアリーの職に着くにはまず「日本アクチュアリーの会」の正会員にならなくてはならないとよく耳にしますが、もし海外（カナダ）でアクチュアリーの資格を持っている人が日本でアクチュアリーの仕事に就きたい場合はどういう過程を通らなくてはならないのでしょうか？今日本でアクチュアリーを雇っている外資系企業はどう会社が有名ですか？

また、日本の大学でアクチュアリーの修士を取れる名門大学はありますか？

もし、知っている人が居たら教えてください！！！お願いします。

補足

返答ありがとうございます。
北アメリカのSOA（Society Of Actuaries)でAssociate of the Society of Actuaries （ASA)やFellowの資格をもっていた場合でも日本で職業に就くのはやはり無理なのでしょうか？

Answer 1

私は保険のアクチュアリー（日本アクチュアリー会正会員）なので以下保険を中心としたお答えになりますが、年金でも同様だと思います。

（１）カナダのアクチュアリーの資格を持っていても社団法人日本アクチュアリー会の正会員と互換性がないので、資格試験を一から受験しなければなりません。なお、日本アクチュアリー会の試験の受験資格は基本的には日本の大学を卒業したことですが、外国の大学を卒業した場合でも日本アクチュアリー会に確認の手続きをとることにより受験資格が認められていることがあります。
下のＵＲＬは去年の試験のものです
http://www.actuaries.jp/examin/H20exam/H20-B4.pdf

（２）ただし、日本のアクチュアリー試験の合格者でないと日本の会社で働けないということはありません。保険（年金）数理の考え方や記法（いわゆるアクチュリー記法）は共通の部分があるので、日本アクチュアリー会の正会員でないとつけないポジション（保険計理人や年金数理人）があるというハンディキャップを補って余りある力が認められれば採用することができます。
保険会社でもコンサルティング会社でも国際会計基準（ＩＦＲＳ）や欧州のソルベンシーIIへの対応など国際的な業務が増えているし、コンサルティング会社自体が外資系でなくてもクライアントは外資系どころか外国の会社そのものの場合もあるので、卓越した英語力（海外の大学を出ているのでそういうのはあると仮定します）は外資系企業のみならずそうでない企業でも評価されると思います。
私の知っている限りでも欧州のアクチュアリー資格（正会員）を持った人が日本の外資系企業で働いている例があります。

カナダのアクチュアリー資格というのはＣＩＡ（Canadian Institute of Actuaries）の資格でしょうか？
資格取得の状況がどの程度かが不明ですが、正会員や準会員ならば大いに評価されると思います。（年齢にもよりますが準会員で３０歳台前半、正会員ならば３０歳台後半～４０歳台でも大丈夫かと思われます）
科目合格であれば日本でもそれに相当する人は大勢いるので簡単ではないと思われます。

（３）その上で日本でアクチュアリー資格を生かせる場所となると上記のように外資系の保険会社・信託銀行・コンサル会社のみならず外資系ではないところでも可能性はあると思います。（日本語力に難があれば行き先が限定されますが、メールの文面を拝見するかぎり問題ないと思います）
具体的な企業名はネットで「アクチュアリー 募集」でも入力すれば出てくるでしょうし、人材紹介会社にでも登録すればオープンにされていない求人も含め教えてくれると思います。

（４）日本の大学では「アクチュアリーの修士」というのはありません。アクチュアリー関連の科目を教える大学はありますが、それを出たかどうかは恐らくほとんど関係ありません。
あくまでもアクチュアリー試験（日本またはそれに相当する欧米のアクチュアリー会の資格試験）での合格実績が主に問われると考えられたほうがよいと思います。

以上いろいろ書きましたが、他に何かありましたら
ブログ
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math
にコメントいただけるか、

（私のＩＤ）@yahoo.co.jp
にメールいただけるかすると対応できると思います。

以下追加のご質問への回答です。
＞北アメリカのSOA（Society Of Actuaries)でAssociate of the Society of Actuaries （ASA)やFellowの資格をもっていた場合でも日本で職業に就くのはやはり無理なのでしょうか？

そのような資格があれば、日本のアクチュアリー会の準会員・正会員の資格に相当すると扱われると思います。
上記のとおりＳＯＡの正会員であっても、日本の保険計理人になる資格は生じませんが、日本の保険会社でもＵＳＧＡＡＰに基づく決算をしているところがあったりするし、上述のようにＩＦＲＳやソルベンシーⅡ対応があるので、ＳＯＡの資格は高く評価されると思われます。