【補足】 在宅投票制度の廃止と復活について 大まかな概略は以下の通りです。 1950年、在宅投票制度が導入される。 1951年、統一地方選挙で、在宅投票制度を悪用した大量の選挙違反発生。 1952年、在宅投票制度廃止。 ↓ その後、制度復活に向けて請願が何度かなされます。 ↓ 1974年、重度の身体障害者に限定して、在宅投票制度が復活します(限定的復活)。 --------------------------------------------------------- >在宅投票制度廃止違憲訴訟について、子供でもわかる >ような言葉で説明していただけないでしょうか? 噛み砕いて説明します。 1950年に、自宅にいながら投票できる制度が設けられましたが、不正投票などが多発したためまもなく廃止されました。その後、この在宅投票制度を国会は復活させませんでした。 ↓ 重度の身体障害者であったAは、在宅投票制度が廃止され復活しなかったことで、現実に投票ができませんでした。 ↓ そこで、Aは、国会が在宅投票制度を廃止したことは、身体障害者等から選挙権行使を奪う憲法違反の法律改正であり、国会議員が、そのような違憲な法律改正(在宅投票廃止)をしたことと、その後は制度を復活させなかったこと(立法不作為といいます)は「違法」だったとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を起こします。 ※国賠請求は、公務員の故意または過失による「違法行為」によって損害を受けた者が、その公務員の所属する行政主体(国や都道府県など)を相手に、損害賠償を求めることです。 ↓ 訴訟では、国会による立法行為(立法不作為も同じに考えます)が、国賠請求の要件である「違法な行為」といえるかが争点になりました。 ↓ 判例は、まず、①法律の内容が憲法に違反するからといって、そのような法律を作る行為自体が違法になるわけではないとして、「改正された法律の内容」と「法改正をする行為・法律を復活させない行為(立法行為や立法不作為)」とは「区別して判断」すべきとします。 ↓ では、②区別された「立法行為や立法不作為」が、どんなときに国賠法上の「違法」といえるか?ですが・・・ ↓ これについて、判例は「立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定しがたいような例外的な場合」だとしました。「憲法の一義的な文言に違反している」とは、たとえば、「男性のみが選挙権を有する」という法律を作るみたいな、誰が見ても憲法の条文に反することが明らかで、争いのないくらい明らかな憲法違反」ぐらいの意味です。 ↓ このような、ほとんどありえないような場面でのみ、「立法行為や立法不作為」が「違法」になるとしました。その理由として、国会議員は、本来国民に対して「賠償義務などの法的責任は負わない(あくまで政治的な責任を負うだけ=選挙で苦戦するなど)」という点を強調しています。 【在宅投票制度廃止違憲訴訟まとめ】 ①立法内容が憲法に違反しても、そういう法律を作る行為自体は別に検討する。当然に違法にならない。 ②立法行為(または立法不作為)が違法となるのは、誰が見ても憲法の条文に反することが明らかな法律をあえて作ったような場合。
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