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司法書士試験民法 抵当権について

司法書士試験民法 抵当権について司法書士試験過去問(平成16年9問)からの質問です。 『抵当不動産の付加物が分離された場合に関し、次の二つの見解がある。 下記事例に関する記述のうち誤っているものはいくつあるか。(なお、即時取得に関しては、判例の立場に立つものとする。) 第1説 分離物が抵当不動産から搬出されても、抵当権の効力は、第三者が分離物を即時取得するまで、分離物に及ぶ。 第2説 分離物が抵当不動産から搬出されても、抵当権の効力は、分離物に及ぶが、分離物が登記による公示に包まれているとは言えないため、第三者に対する対抗力を失う。 (事例) 「Aは、隣接する甲地及び乙地を所有しているところ、甲地についてBのために抵当権を設定し、登記をした。その後、Aは抵当権設定当時甲地上にあった石灯籠を土地から分離した。」 (問)Aは、石灯籠を甲地から乙地に運んだあと、抵当権の存在につき善意無過失であるCに石灯籠を売却し、占有改定により引き渡した。この場合には、第2説では、BはCに対して抵当権を主張することができる。 (解)誤 』 解説として、石灯籠は甲地から搬出されているから、分離物上の抵当権は対抗力を失っているため、BはCに対して抵当権を主張できない・・・とあります。 ですが、石灯籠が甲地から搬出されているとしても、一応抵当権の効力は分離物に及んでいます。 一方、Cは石灯籠を即時取得していないので、無権利者なのではないのでしょうか? 対抗力を有しない権利者は、無権利者に対しては権利を主張できるのではないでしょうか? (確か、対抗力を有しない賃借権者は不法占拠者に対して、立退きを請求できたような・・・) 私の考えのどこが誤っているのか教えていただけますでしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。

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回答(3件)

  • ベストアンサー

    まず質問者さんは大きな勘違いをされています。Cが所有権を取得したから抵当権の効力が及ぶとか及ばないの話ではありません。そもそも即時取得は無権利者からの譲受人を保護する制度です。しかしAは無権利者ではありませんから、Cも無権利者からの譲受人ではありません。よってCは1説においても2説においても確定的に所有権を取得します。その上で抵当権の効力が及ぶのか及ばないのか、言い換えるなら抵当権者が所有権者に、灯籠を土地の付加一体物として元の場所に戻せと言ったりできるのか、できるとしてもその効力が及ぶ範囲が問題となっているのです。 以上を踏まえた上で説明しますと、まず2説は書いてある通りの説明になりますが、搬出された以上はもはや対抗力を失うので、抵当権者は所有権者に対して抵当権を主張できないとする対抗力喪失説です。それに対して1説は、2説ではあまりに所有権者の利益に資するので、分離物が搬出されても所有権者が即時取得の要件を満たすまでは抵当権の効力が及ぶとする即時取得基準説です。平16ー9の第1説は「即時取得をするまで」と書いてありますが、正しくは「即時取得の要件を満たすまで」なんです。なぜならしつこいようですが、Aは無権利じゃないので、Cが所有権を取得するために即時取得する必要はないからです。あくまでも抵当権の効力が及ばなくなる時期を確定する要素として即時取得の要件を用いているのです。(この第1説の書き方は出題者はやっちゃダメですね。) よって2説ではCが即時取得の要件を備えていてもいなくても、搬出された以上は対抗力を失うと言っているのでBはCに対して抵当権を主張できません。 ちなみに判例(昭57年3月12日)は工場抵当権に関する事案で1説を採っていますが、民法上の抵当権に関しても判例が同様の見解を採るのかは明らかではありません。

  • 質問者様が考えておられる「無権利者に対しては権利を主張できるのではないでしょうか?」というのは177条に関する判例の見解です。 しかし、問題文は判例の結論を聞いているものではなく、どちらの説に立った場合にはどのような帰結となるかを質問しているだけです。 問題文が何を聞きたいのかといいますと、「通常抵当権の効力の及ぶ範囲というのは、抵当権の目的となっている土地の上にあるものだけだよね」と考えているのが2説です。 それに対して1説は「いやいや、元々は抵当権の目的となっている土地にあったものなのだから、搬出されたとしても、誰かに即時取得されるまでは、抵当権の効力は及んでいいんじゃないか」と考える説です。 肢は「場所は動かしたけど、占有改定しか行われていない場合は2説でいくとどうなります?」と聞いているだけですね。

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    ID非表示さん

  • >石灯籠が甲地から搬出されているとしても、一応抵当権の効力は分離物に及んでいます。 抵当権設定契約の「当事者」であるAB間では及んでいますが、Cは抵当権設定契約についての「第三者」です。 で、第2説は、「第三者に対する対抗力を失う」んですよね。 本問は、BがCに抵当権を主張できるか、だけを問題にしているように思います。

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