中小企業診断士２次試験事例Ⅳについての質問です よろしくお願いします 事例Ⅳの練習問題に以下のような設問がありま…

Question

中小企業診断士２次試験事例Ⅳについての質問です
よろしくお願いします

事例Ⅳの練習問題に以下のような設問がありました
（一部省略して記述します）・投資額（設備）は5,000万円。耐用年数5年、残存価額ゼロ、
定額法による減価償却を行う
・現金収入増加は、初年度は900万円（2年度以降は省略）
・現金支出増加（設備維持費）は、毎年度100万円が固定で発生する
また人件費で45万円が毎年度発生する
・投資の実施は毎年度期首であり、
それ以外のキャッシュフローは各年度末に発生する
・Ｄ社の全社的利益（課税所得）は今後も黒字であると予想される
・法人税の実効税率は30%

この設問に対して、私は、以下の計算式を用いて解答しました

損益計算→
（現金収入ー現金支出ー減価償却費）＝税引前利益
税引前利益－法人税＝税引後利益
ＣＦ計算→
税引後利益＋減価償却費＝営業ＣＦ

900-100-45=1000 で、税引前利益は-245とマイナスになるので
法人税はかからない
よって、-245に減価償却費を足して、営業ＣＦは755

これに対して、問題の解説は

現金収入900 － 現金支出145 ＝ 税引前収支755
税引前収支755 ー 法人税226.5 ＝ 税引後収支528.5
税引き後収支528.5 ＋ タックスシールド300 ＝ 営業ＣＦ828.5

テキストでは、「営業ＣＦの求め方として2つの方法がある」としています

① 営業ＣＦ ＝（現金収入ー現金支出） Ｘ （１ー税率）＋ 減価償却費Ｘ税率
② 営業ＣＦ ＝営業利益 ｘ（１ー税率）＋ 減価償却費

私は②の方法を用いたつもちだったのですが、
解説のような答に至りませんでした

私の解き方、考え方のどこが正しくないのか
やさしく教えていただければ幸いです

よろしくお願いします

Answer 1

「D社の全社的利益（課税所得）は今後も黒字であると予想される」という箇所の意味を質問主さんは理解しておられないと思われます。

この文章の意味は、D社は問題のプロジェクトが赤字であっても、それを補うほど他の事業で十分に利益を上げており、全体では黒字であるということを示しています。

具体例を挙げて説明します。

D社は問題のプロジェクト以外で税引き前利益が10,000だと仮定します。
一方、問題のプロジェクトは税引き前利益が-245です。
まず、問題のプロジェクト以外にかかる税金を計算します。

問題のプロジェクト以外にかかる税金
10,000 × 0.3 = 3,000

次に、問題のプロジェクトを含むD社全体にかかる税金を計算します。

D社全体にかかる税金
(10,000 - 245) × 0.3 = 2,926.5

このとき、税額の差分は以下の通りです。

税額の差分
3,000 - 2,926.5 = 73.5

つまり、問題のプロジェクトが赤字だったために、D社は73.5だけ税金を少なく支払っていることになります。これは、問題のプロジェクトが赤字であることで節税効果が発生したということです。

したがって、以下の修正が適切となります。

＜誤＞
900 - 100 - 45 - 1000 で、税引前利益は-245とマイナスになるので法人税はかからない。よって、-245に減価償却費を足して、営業CFは755。

＜正＞
900 - 100 - 45 - 1000 で、税引前利益は-245とマイナスになるので、73.5（245×0.3）の節税効果がある。よって、-245 + 73.5に減価償却費を足して、営業CFは828.5。

このように、赤字プロジェクトが節税効果をもたらす点を考慮する必要があります。