「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。 臨床心理士の近接領域の専門家、たとえば医師や教師がおられますが、これらの専門家は、臨床心理士も含め、「人が人に直接かかわり、そのかかわる人に影響を与える専門家である」といえるでしょう。しかし、それぞれに似て非なる専門性があるのです。 お医者さんの場合、人(医師)は人(患者)にかかわり、病んだ状況をもとの元気な姿に戻すことによって、その専門性を人(患者)にもたらす、病気を治す専門家です。 学校の先生は、人(教師)が人(児童生徒)にかかわり、教育目標である読み書き算数や、人間のあるべき姿(正直で、誠実で、優しく、勇気と正義を尊ぶなど)を、こどもの学ぶ権利として教える義務があります。 臨床心理士は、人(クライエント)にかかわり、人(クライエント)に影響を与える専門家です。しかし、医師や教師と異なることは、あくまでもクライエント自身の固有な、いわばクライエントの数だけある、多種多様な価値観を尊重しつつ、その人の自己実現をお手伝いしようとする専門家なのです。 日本には心の問題に取り組む職種として、心理カウンセラー、サイコセラピスト、心理相談員などの名称で呼ばれる人々がいますが、それぞれに明確な資格があるわけではありません。それに対して「臨床心理士」は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けることで取得できる“心理専門職の証”となる資格です。実際には、臨床心理士の資格所有者が、たとえば文部科学省の実施する全国公立中学校や小学校に1996年以降よりスクールカウンセラーとして任用(派遣)され、学校現場で活躍していることは、その代表例といえましょう。 臨床心理士に求められる専門行為とは、 ①種々の心理テスト等を用いての心理査定技法や面接査定に精通していること。 ②一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていること。 ③地域の心の健康活動にかかわる人的援助システムのコーディネーティングやコンサルテーションにかかわる能力を保持していること。 ④自らの援助技法や査定技法を含めた多様な心理臨床実践に関する研究・調査とその発表等についての資質の涵養が要請されること などです。 また、こうした4種の業務について、さらなる自らの心理臨床能力の向上と、高邁な人格性の維持、研鑽に精進するために、「臨床心理士倫理綱領」の遵守、5年ごとの資格更新制度などが定められています。 http://fjcbcp.or.jp/rinshou/about-2/ さらに詳しくお知りになりたい場合は、下記のページからリンクをたどってご覧ください。 http://fjcbcp.or.jp/about/
心理カウンセラーに必要な資格の一つです。 ※但し、民間資格です。 2018年度に国家資格の公認心理師が新設されましたので、心理カウンセラーとしては公認心理師が必須資格になってきています。
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