卒業したらすぐ翻訳の仕事に従事することをご希望なのでしょうか? 卒業後すぐに翻訳家になった方もいらっしゃるのかもしれませんが、ほとんどは社会経験を積んでから翻訳に転向されている場合が多いと思います。 社会人として経験した業務知識や業界知識などが翻訳において非常に強みになるからです。 また、翻訳の仕事を受け始めたばかりの頃は、主にエージェントと呼ばれる翻訳会社から仕事をもらうことになることがほとんどだと思います。メールのやり取りや相手の業務プロセスの理解なども、社会人経験を積んでいればいるほど、スムーズに理解できると思います。 私は翻訳を生業にしたいと若いころから思っていたわけではありませんでしたが、実際に翻訳で生計を立てるようになって、社会人としての実務経験(営業や、相手にわかりやすくプレゼンする、内容を理解してかみ砕いて分かりやすいプレゼン資料を作る、社内資料を翻訳する、客先との調整、客先のニーズ把握、など)が非常に翻訳に役立っている、と感じています。翻訳で生計を立てたい、翻訳家になりたい、と言う思いを温めつつも、まずはその翻訳のための力の基礎となる知識であったり、専門性であったりを磨くようなキャリア構築を考えて見られてはいかがでしょうか? 夢をくじくようなことを言うつもりではありませんが、社会人経験がないまたは非常に浅い状態で翻訳の世界に飛び込み、翻訳以外の商慣習であったりビジネスマナーであったりに戸惑ってしまったり、知識や経験の浅さが裏目に出て仕事がうまくいかなかったりしてしまい、翻訳に対するモチベーションに影響してしまうことがないとも限りません。社会は、自分のやりたいことだけをやれるようにはできていないのです。翻訳以外でも、面倒な対応はいっぱい発生します。 翻訳の仕事は、いつでも取り組めます。社会人経験を積んだ人の翻訳には、味があります(社会人経験のない人の訳はつまらない、と言うことではありませんが) 逆に、世の中にはそうして社会で様々な経験を積んできた方たちが翻訳者として活躍しており、そう言う方は実際に自分で見て聞いてやってきたことを基に翻訳の仕事に取り組まれているわけです。そういう人たちといきなり張り合って、生活するだけの対価が得られる十分な翻訳の質が達成できるかどうかは、確証のあることではありません。多くの方は、副業期間を含め、2年~5年程度かけて収入を安定させ、目途がついたらフリーランスで独立する、と言う流れだと思います。 一方で、私も翻訳が大好きな人間ですから、あなたが「翻訳家になりたい」という志をお持ちであるという事実は、素晴らしいと感じています。ぜひ、夢をかなえていただきたいです。 学業を修了されてすぐに翻訳家になれなかったとしても、いつかきっと翻訳家になられることでしょう。そうなったとしても、決して遠回りではありません。社会で過ごす一分一秒が、翻訳力の糧となっていくはずです。 資格については、私の場合は特に資格を持っていることが助けになったことはありません。TOEIC、英検、IELTSなどは一応受けていますが、納品した翻訳を見れば大体どの程度の実力かは伝わるからです。資格を見るより、納品物で一発で判断されます。資格があっても、納品物の質が悪ければ、仕事は来なくなります。 おすすめの言語ですが、他の方もおっしゃっている通り中国語の需要が高いです。翻訳したい文章を提供してくるエンドクライアントが、中国の企業であるケースが増えています。その中国の方が英語が得意でない場合も多く、ネイティブ並みに読み書きできれば、かなり重宝される人材となるでしょう。 ASEAN各国の言語も、ビジネス関連の需要が増えています。また、瞑想法や自然農法など、その国にしかないコンテンツと触れられるというメリットもあるものの、こうしたニッチ分野の翻訳需要を探し出すのは大変かもしれません(自分で需要を創り出すことができない限り、「お金になりにくい」と言うことです)。 最後にまとめると、私の知る限りでは、翻訳者になって活躍している方というのは「企業で勤める中で専門知識と経験を積み上げ誰よりも詳しくなり、その知識を基に翻訳者としての道を歩み出した」場合がほとんどです。年齢も、30歳代後半~の方が多いように思います。 もちろん、言語運用能力がずば抜けて優れているなどの理由で20代でも無理ではないとは思いますが、経験から得られた知識は資格以上の何よりもの強みと言えます。 翻訳の仕事は、特に始めたばかりの頃は収入が安定しません。誰しもがそうです。ですので、安定収入を得ながら、経験を積み、社会人として「企業の利益に貢献する」など所属する組織で掲げる目標達成の実践を積みながら翻訳家への道を模索し続けるのが、私の経験を振り返ったうえでベストと言えると思います。 どうしても資格が気になるのであれば、やはりビジネスキャリアに沿って、例えば「会計士」とかの資格が取れれば、「翻訳もできて会計のこともわかる」と言う風に重宝されることになるでしょう。それは何でも構わないと思います。翻訳をやるためだけにその資格を取る必要はありません。実践と経験が伴っていない資格には意味がありません。資格がなくても、納品物に翻訳力は現れますので、実力があれば仕事につながります。個人的に思うのは、あればあったで自分にとっての「看板」にはなる、程度かと思います。
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フリーランスの実務翻訳者です。 (1) 皮肉めいた回答と受け止められたら申し訳ありませんが、安定して翻訳を行うために最も有効な資格は、会社員としての地位と考えます。 (2) 現在学生でしたら、就活の場において一度だけ使うことができる新卒というたいへん強力なカードを持っていることになります。 (3) 新卒で、一日中お仕事があるような翻訳者(出版翻訳の場合には翻訳家とも呼びます)になれる可能性は客観的にみて低いことでしょう。 当面の間、副業として翻訳を行うことをお勧めします。勤め先の会社が副業を禁止していないことが前提です。 (4) クレジットカード作成、賃貸住宅の契約などで、翻訳者志願者(無職)と会社員では信用に大きな差があります。また、会社員では健康保険料の半額会社負担や厚生年金保険料の半額会社負担など、給与の額面以外のメリットがあります。 (5) 私自身は会社員のかたわら副業として翻訳(実務翻訳)を始め、現在は専業翻訳者です。 (6) 翻訳者になるために色々な道があります。Twitterの「#どうやって翻訳者になったか #実績ゼロから翻訳者に」のハッシュタグから調べてみてください。 (7) 推奨する参考資料 翻訳者になるため、続けるためのヒント ペーパーバック 渡邉ユカリ(著)【Kindle版もあります】 https://www.amazon.co.jp/%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%80%81%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%B8%A1%E9%82%89%E3%83%A6%E3%82%AB%E3%83%AA/dp/B0BCSFDZ7Z/ 通訳者・翻訳者になる本 2024(イカロスMOOK) https://www.amazon.co.jp/%E9%80%9A%E8%A8%B3%E8%80%85%E3%83%BB%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%9C%AC2024%E3%80%90%E5%B7%BB%E9%A0%AD%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%80%91%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E5%AE%B6-%E6%88%B8%E7%94%B0%E5%A5%88%E6%B4%A5%E5%AD%90%E3%81%95%E3%82%93-%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%82%B9MOOK-%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E5%87%BA%E7%89%88/dp/4802212372/
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書籍の翻訳家と言っても、書籍にはいろんなジャンルがあり、それぞれの分野について専門用語や独特な言い回し等があったりするので、対象となるジャンルをある程度限定して専門に特化しないと、翻訳家としての成功は望めないと思います。英語の法律書を日本語に翻訳するなら、日本の弁護士かそれと同程度の法律知識、さらに英米法の知識が無いと適切な翻訳は出来ませんし、医学書などについても似たようなことが言えるので、実際にこうした専門書の翻訳をしている人は、翻訳の専門家では無く、そうした専門職に就いている人たちです。 文学小説などの翻訳であれば、そこまでの専門性は必要ありませんが、原作の日本語訳を小説として成立させるためには、かなりの文学的才能が必要になると思われます(必ずしも、自分が小説家になる必要まではないと思いますが)。いずれにせよ、翻訳家として成功するには、単に語学力を磨くだけでは駄目で、自分の得意ジャンルを作ることが大切かと思われます。 翻訳家となるために、特別な資格が必要なわけではありませんが、翻訳に関する資格自体は色々あり、「翻訳家 資格」などのキーワードで検索すれば、色々な資格が出てくると思います。ただし、これらの資格を取得すれば翻訳の仕事が出来るというわけでは無く、翻訳の仕事を受注するには、むしろ翻訳に関する実務経験の方が重視されます。外国書籍の日本語版などを多く出している出版社に就職し、翻訳の実務経験を積めればそれに越したことはありませんが、フリーランスの翻訳家を目指すのであれば、最初に翻訳の仕事を受注するまでが一番苦しいところになります。 フリーランスの翻訳家は、翻訳会社を通じて案件を受注するのが一般的であるところ、未経験者がそうした翻訳会社から仕事を受注するには、各翻訳会社が独自に実施しているトライアル試験を突破する必要があります。翻訳会社によっては、特定の試験合格者にはトライアル試験を免除しているところもあるそうなので、自分がどのようなルートで翻訳家の仕事を目指すのか、しっかりと業界研究を行った上で、そのために必要な資格がどれか考えるのが賢明でしょう。 なお、日本における「翻訳家」の大半は英日の翻訳家ですが、世界的な言語のシェアとしては、中国語が英語に匹敵するほど多いので、日本語と中国語の翻訳家を目指すのも面白いと思います。 日本語の著作を英語に訳す翻訳の需要はあまり無いと思いますが、日本語と中国語であれば、中国語の書籍を日本語に訳す翻訳のほか、日本語の書籍を中国語に訳す翻訳の需要も見込めるので、新しくチャレンジするには面白い分野ではないかと思います。
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書籍の翻訳と言っても、医学書の翻訳と経済学書の翻訳と小説の翻訳では求められる知識が違いますし、勿論、小説の翻訳でもSFなのかファンタジーなのか歴史物なのかで求められる知識が違います。 英日翻訳は、「英語が好き」「英文和訳が得意」なだけでは出来ません。現代文学を翻訳するとして、先ずは舞台となっている国、都市、街の情報(地理、歴史、文化、社会情勢、教育体制、経済状況等)を調べる必要があります。そうしなければ、登場人物の置かれた状況を理解し、彼らに生命を吹き込む事は出来ません。 書籍の翻訳家になるのに有利な資格などありません。強いて言うなら、翻訳したい分野の大学卒以上の知識を日本語で持つ事です。 また、小説の翻訳がしたいなら、日本語で作家(小説家)になる事ですね。そうすると、翻訳の技量がなくとも自分の好きな小説を「新訳」と称して或いは「初訳」として訳させて貰えます。
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