回答させて頂きます。 結論から言いますと、精神保健福祉士は、生活相談や社会福祉制度紹介のプロ、心理士はこころの内面にアプローチする専門家といえます。 具体的な定義や違いを以下に述べていきます。 長文ですが、差し支えなければ、お付き合い頂けますと幸いです。 まず精神保健福祉士についてです。 精神保健福祉士は、「専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいいます。」(厚生労働省のHPより引用) 定義は上記の通りですが、具体的なイメージとしては、精神疾患(こころの病)を抱えている方等を中心に、入院や退院、日常生活の相談、その方の困り事に対して対応できる社会福祉制度(例えば、イメージしやすいものとして生活保護、自立支援医療等)を紹介するといった業務をします。 生活面の相談や社会福祉制度の紹介のプロです。 仕事をする領域は(精神)障害者の方の施設を中心した様々な福祉施設、精神科を中心した医療機関等で活躍されています。 一方、公認心理師と臨床心理士はこころの悩みや問題、それに付随する病気にアプローチする専門家です。 厚生労働省のホームページによると、 公認心理師とは、「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する分析や観察、相談、助言、指導等の行為を行うことを業とする者」と定義されています。 ↑の定義は分かりやすくするために、厚生労働省の定義を部分的に改変して引用しております。 臨床心理士資格認定協会のHPによると、臨床心理士については、「臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家」と定義されています。 公認心理師は国家資格であり、臨床心理士は民間資格という違いがあります。 その他の違いとしては、臨床心理士は心理学やカウンセリング、心理療法、心理テスト等の研究活動を、公認心理師はこころの健康に関する知識の普及、促進にそれぞれ力を入れています。 上記の違い以外は、ほぼ同じで公認心理師も臨床心理士も程度の差はあっても、大体以下のような①〜④の活動を行っています。 ①臨床心理査定 面接、観察、心理テストを通して、人のこころを理解し、本人の自己理解に役立てたり、周囲の人たちの本人に対する理解が深まるようにサポートします。 病院等の医療機関の場合は、精神疾患(こころの病)等の診断の補助に心理テストをしたりします。 ②臨床心理面接 俗に言うカウンセリングです。本人の成長を促進したり、こころの悩みや問題の解決を図ります。 特定の病気や障害の治療として、心理療法(特定の理論に基づいたカウンセリングのような対話等を通した病気の治療法)も行います。 ③臨床心理的地域援助 心理士の所属する職場のこころの健康をサポートしたり、連携を深めたり、地域の人たちの抱えるこころの問題にアプローチします。 これには、例えば学校の外からやってきた心理士が、学校の先生に対して、クラス等にいる対応に困る子どもの対応方法をアドバイスするといった活動や地域の人たちに対して、ストレスへの対処法等のこころの健康に関する知識を提供、普及すること等が入っています。 ④臨床心理学研究 カウンセリングや心理療法、心理テスト、心理学や臨床心理学に基づいた研究を行います。 上で紹介した①、②、③の活動がどうやったら上手くいくか、実際に活動してみてどういったところが効果的であったか等の研究も行っています。 働いている場所は、病院等の医療、学校等の教員、虐待対応や障害を抱えている方の対応をする福祉施設、会社等の企業で働く人のメンタルヘルス相談等をする産業及び労働、少年院等の犯罪を犯した少年少女の社会復帰のサポートや正しい事を教える役割をする矯正、司法等の色々な場所があります。 以上が公認心理師、臨床心理士の活動や働く領域です。 つまり、心理士は様々な場所、心理学やカウンセリング等の学問、知識を活用して、こころの問題や悩み、病気にアプローチするこころの専門家であるといえます。 精神保健福祉士と心理士の違いは、 精神保健福祉士は、生活面であったり、社会で暮らす人々に暮らしやすくなる社会福祉制度を提供するといった生活面、社会面にアプローチするという点を重視しています。 一方、心理士はその人の内面的なこころの問題にアプローチするのが主なアプローチになります。 また学問的には精神保健福祉士は、社会福祉学を、心理士は心理学や臨床心理学を参考にアプローチしています。 どちらも生活面へのアプローチやこころの内面へのアプローチもしますが、傾向としては、精神保健福祉士は社会福祉制度等を利用した実際的な生活の困り事への対応やアドバイス、心理士はあまりアドバイスをせずに、自分のこころの問題や悩みに対する自己理解が深められるようにカウンセリングや心理テストでサポートして、こころの問題の解決を図るといった特徴があります。 分かりやすく、誤解を恐れずに言うと、精神保健福祉士は、悩みや問題を抱えている人の生活アドバイザー、心理士はカウンセラーとしてあくまで個人の内面にアプローチするこころの専門家といえるでしょう。 また働く際は、精神保健福祉士は精神科のデイケア等でグループ活動を、心理士は個人を対象としたカウンセリングや心理療法、心理テスト等が多い傾向にあります。 なので、精神保健福祉士はグループ活動がやや多め、心理士は個人へのアプローチが多め等の個人か、集団かという違いもあります。 上記はあくまで分かりやすさ重視のイメージで、誤解を招かないために言っておきますが、心理テストしかしない心理士や困り事に具体的なアドバイスをする心理士、こころの内面を扱う精神保健福祉士もいない訳ではありません。 個人か集団かというところもあくまで傾向でして、集団を見る心理士や個人の相談をする精神保健福祉士ももちろんいます。 働く職場や領域によってもだいぶ違いますね。 あくまでも傾向ですが、精神保健福祉士と心理士の違いについて参考になれば幸いです。 他に分からない事があれば質問頂ければ回答致します。 長文失礼致しました。
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