◆コンパニオン 戦争等で家を失った高貴な女性が就く職業で、福祉の面もある。娘など女性たちの付き添いとして行動するアテンダント。女子の随行者としてはある程度高貴な出である必要もあり、町娘等では務められない。 19世紀ごろだと女性の職業は知識階級以外だと娼婦と下働きしかないため、高貴な女性を就職させ保護の目的もあった。 ◆カヴァネス(家庭教育者) 使用人の中でも、主人一族に最も近い存在で、特別な地位を与えられている。場合によっては使用人より上位の扱いである。一族の子弟らを家庭内教育させるための専属教師。高貴な家では学校に通わず専属の育成係がいた。 女子は最後まで教育を担当するが、男子は途中から家庭教師か学校入学にステージが移る。 カヴァネスは子が成人したりすると解雇される通例だったが、場合によっては成人後の娘のコンパニオンとなって雇用延長される場合もある。 ◆チューター(家庭教師) カヴァネスの時期が終わると、男子は教育を施され、最後に修学旅行を行った(イギリスの場合)修学旅行は欧州全体を回り、その知見を得て最後に集大成のレポートを制作する。 チューターを利用せず男子専用のパブリックスクールなどに入学し、全寮制の中で高度な学問を学び、人脈と処世術を身に着け大成する場合もある。 ◆チェンバレン→スチュワート→バトラー(執事) 執事とは、使用人の中でも管理職。チェンバレンは屋敷内では現場組の最高司令官でもある。会計から主人の業務の補佐または代行を担って、シーズン中は屋敷の保守管理を行ったりもする。また使用人たちのシフト管理や人員管理も行う。上位執事はほとんどの場合スーパーマンである。 階級はチェンバレン→スチュワート→バトラーの順で、いずれも日本語ではまとめて執事となっている。大きな家でないと3種類もおらず、近世の御屋敷では1人なところも多かった。 中世ではチェンバレン級は荘園の管理を行ったり、小貴族らを実質管理するような業務を担ったりもした。物語でよくありそうな、大貴族にべったりくっついて横で助言している爺みたいなのはチェンバレンである。 ◆メイド(使用人) 女性の使用人一般をさす。給仕から掃除、屋敷の保守管理などを主に行う比較的下っ端の使用人たち。メイド内でもいわばバイトリーダーのような存在もいて、グループを形成して業務を行うような大規模な編成の屋敷もある。一般的に古い貴族でもそこまで大量に雇用しているわけでもない。現代ではその雇用数も減っている。 女性の仕事がほぼ無かった近世では、比較的まともな女性用の職でもあった。 ◆使用人(男性の) 男性の使用人も存在した。仕事内容は上記とあまり変わらない。 ◆ナニー(乳母) 一族の子は産まれた瞬間からナニーの手で育成される。むしろ母親より子供と一緒にいる時間は遥かに長くなる。そのために重要な立場でもあるが家庭教師よりランクが低い扱い。 その性質から幼少の教育をも担当している。現在では貴族でも自分の手で育てたいという母親が増えてきていて、必ずしも貴族はナニーを使用することはなくなった。一方でイギリスでは現在でも一般家庭でベビーシッターや使用人を使用することは一般的にあり、中流以上ならハウスキーパーと共にシッターを利用する家庭も多い。※ナニーは常時雇いでベビーシッターは一時雇い。 ◆ガーデナー(庭師) 庭を整備する職業。貴族の家で庭は玄関よりも重要な最も目につく場所でもある。階級としては高くないが、重要な仕事でもある。 ◆御者 いわゆる運転手である。現在ではドライバーとしてクルマを運転・整備維持をしたりしている。他にもウマの維持管理を行う職もある。御者は意外とそんなに低い立場でもなかった。馬車の維持管理も行う。 ◆ブラックスミス(蹄鉄工) 蹄鉄の管理は頻繁に行われるため、これを内製化しているところは専属の鍛冶屋を保有したところもある。御者が兼ねる場合もあったし、外注する家もある。 ◆会計職 ものすごい人数が多い場合、執事等と別に会計士が設定されている場合がある。財務管理を行う。 中世では執事や荘園管理者の命令を受け、領地の徴税や取り立て、管理を行う現場担当もいた。 ◆私設軍隊 近世の欧州では屋敷単位で軍隊や連隊を所有することがあった。親のプレゼントとして子どもに軍隊を1隊買ってやる。なんてい例すらあった。子どもが軍服着て閲兵する。 この軍隊は貴族の者が戦場に行く際に随行して一緒に戦う。また中世では鎧を着せる係を担う見習いの子弟や子どももあった。ただこれは騎士の時代であって近世にその制度は消滅したので割愛。 現代では暴力装置が国家専用のものになり、私設軍隊は基本的に持つことがなくなった。今風に言えば、警備要員とも言える。 ◆狩猟管理者 狩猟を行う準備や手筈を整える係。貴族のうちでは狩りはよくある娯楽でありかつ重要な行事でもあった。英国ではフォックスハンティングがメジャーであったが、この影響で英国で狐が絶滅状態になったほど。 動物を追い立て、狩猟犬などを駆使して獲物を誘導、安全の確保、貴族のアテンドや案内全般を行う。中世で大きな貴族や大規模な狩りでは戦場と同じ軍用テントを設け、狩りをした動物を焼いて食べることも行われておりその準備も行う。 重要なイベントを遂行するということで狩猟管理者は比較的重要な役割を負っていた。あまり表に出てこないが、有名なものでは「しらゆきひめ」で魔女に姫を殺す命を受けて見逃すのが狩猟管理者である。 ◆聖職者 近世では聖職者を雇用した例はそう多くないが、中世あたりの欧州の大貴族級の家では、自宅に聖堂や修道院を建て、聖職者を任命していたりする例もあった。いわば一族専用のお寺である。 ◆コック 厨房の管理と調理の一般を行う。小さいところでは1人のみだが、大きいところでは複数人いてコック長が設定された。 ◆道化師 余興を提供する。ピエロ。これを常時雇用する貴族は相当な大手でそれも主に中世までで近世になるとあまり見られなくなっていった。吟遊詩人同様に、常時雇用するよりは街等で話題となっている芸人を招き、余興を提供させるようなことが多かった。その他音楽、絵画、書についても概ねそうで、才能があると判断された者が屋敷へと招かれ、報酬等を与えられて短期間雇用した上で作品を作らせる、つまりパトロン関係であることが主であった。 ただ中には中~近世初期のイタリアなどでは、ほとんど常時雇用に近い状態で芸術家を保護していた一族もあった。 ◆掃除人 ほとんどの掃除は使用人が行うが、煙突など危険かつ専門的な清掃には外部から一時的に雇用したりする者が使用される場合があった。
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