その噂は、一時は本当に国鉄部内でもよく耳にしました。 蒸気機関車が現役だった頃は55歳定年でしたから、定年退職後5年以内に亡くなった=60歳以下で亡くなったというわけですから、今より平均寿命がずっと短かった昭和の御代にあっても、死亡の知らせが届いた時のインパクトが強烈だったからでありましょう。 ちなみに20世紀の頃までは、男社会であった鉄道員の喫煙率はひじょうに高く、区所の庁舎内や詰所などはいつも紫煙が漂っていました。 特にSL乗務員や検修員などは、仕事で煙吸ってるのに、休憩時間にまでなんで自ら進んで煙を吸うんだ、とでも言いたいくらいですが、制服のポケットには必ず煙草というのが昔の鉄道員のスタンダードだったのです。 ですから癌の罹患率は高かった印象で、そして煙草といえばまず肺がん、そして不規則な生活が祟って胃腸疾患も多かったことから、やがて胃がんを発症する人は多かった印象はあります。 その昔は、癌はとても死亡率の高い病気でした。 私の先輩でも、若く亡くなった方の殆どが癌でした。 ほかには、国鉄時代に勤務していた人にはアスベストによる健康被害も多い傾向があります。 とは云え、運転従事員は年2回の定期健康診断があるので、運の良い人は癌も早期に発見されることも多いわけです。 昔は、きつい外科手術を受けるしかなかったのですが、助かった人もそれなりに居ます。 それに元々、動力車乗務員は厳しい医学適性検査に受かっているわけですから、脳卒中とか心疾患などになりにくい人が多いわけで、実は平均寿命は長いのです。 国鉄時代に「動力車乗務員は早死しやすい」との噂が広がったので、国鉄労働組合などが実態調査をしたところ、実は日本人男性の平均寿命よりも長生きしている人の方が多かった、と判ったことがあったのです。 時代ですから、当然にSL乗務員経験者の比率も高かった頃のことです。 このことは交通新聞などでも報じられました。 今では、JR退職者協議会会員の平均年齢が日本人男性の平均寿命よりも高い、なんてことになっており、これは福利厚生が恵まれていたことの証左でありましょう。 つまり、癌になる人は多かったし、その昔は癌になると大半が余命僅かだったわけですが、それ以外の人は、実は意外に皆さん長生きです。 先日NHKで放映された鉄道150周年記念特番で、90歳くらいの元SL乗務員が何人か出演されてましたけど、元気そうな方々でしたよ。 若かった頃、機関助士として毎日何トンも石炭を焚べる重労働をしていたことが、実は健康に良い運動だったのかもしれません(笑)。 なお、動力車乗務員は早死が多い、という噂の出所は、一説には待遇改善を強く訴えていた国鉄動力車労働組合の印象操作でないのか? との見方もあるのです。 長文失礼致しました。(元運転士)
なるほど:3
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私がよく聞いたのは、蒸気機関車の機関士に限らず「乗務員は早死にする人が多い」という話でした。睡眠時間が不規則になるため、というのがその理由だそうです。 (同じ理屈で、新聞記者の早死にもよく言われてましたね) とは言え、ご長寿の元乗務員さんも現実に多数知ってますし、短命だった駅員さんもいらっしゃいます。なので、みんながみんなという話ではありません。データによるものではなくて、おそらく「現場の体感」という事なのだろうとは思います。 そう言えば、国鉄の共済年金が比較的高額なのは、退職後~存命の短い期間のうちに一定の額を受け取らせようとする「親心」だったというのもよく言われていて、昔ほどには早く死ななくなったためにうまく回らなくなった、という話も(本当かどうかは知りませんが)元職員さんからよく聞きました。事実として正確かどうかは別にして、現場でそう言われていた、という事はあったのでしょう。
なるほど:1
それって機関車の運転手に限らず、1970年代の男性の平均寿命は70歳ぐらいだった。 今よりも10歳以上平均寿命は短かった。 平均寿命が70歳なら60代で亡くなる人も今より沢山いたわけです。
なるほど:3
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