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計算過程を簡単にたどってみます。各点での状態を(P, V, T)として次の変化をします。 ①(P1, 20x10^-3, 320) ↓ 行程1;断熱圧縮 ↓ ②(P2, V2, 500) ↓ 行程2;等温膨張 ↓ ③(P3, V3, 500) ↓ 行程3;断熱膨張 ↓ ④(P4, 40x10^-3, 320) ↓ 行程4;等温圧縮 ↓ ①(P1, 20x10^-3, 320) ①の状態について P1x20x10^-3=Rx320 より P1=16000R Pa...(i) です。 ②の状態について P1V1^γ=P2V2^γ 16000Rx(20x10^-3)^(5/3)=P2V2^(5/3) 23.58R=P2V2^(5/3)...(ii) であり、また P2V2=500R...(iii) ですから(ii)(iii)より V2^(2/3)=0.0472 V2=0.01024 m^3...(iv) となります。さらに(iii)と(iv)より P2=500R/0.01024=48828R Pa...(v) となります。 ③の状態について P3V3=500R...(vi) P3V3^(5/3)=P4(40x10^-3)^(5/3)...(vii) であり、(vi)(vii)より V3^(2/3)=P4x4.6784x10^-3/500R...(viii) となります。P4が必要です。P4V4=P1V1より P4(40x10^-3)=P1(20x10^-3) P4=(1/2)P1=8000R Pa...(viii) です。これを(viii)に代入すれば V3^(2/3)=8000Rx4.6784x10^-3/500R V3=0.07485^(3/2)=0.02048 m^3...(ix) となります。(ix)の結果を(vi)につかえば P3=500R/V3=24414R Pa...(x) となります。 ④の状態については P4=8000R V4=40x10^-3 (与えられています) とわかっています。 あとはPV図での閉曲線の積分とST図での閉曲線の積分の比較です。 ②→③と③→④の積分の和と、④→①と①→②の積分の和がPV図での閉曲線の面積になります。 J1=∫(V2→V3)(RT/V)dV+∫(V3→V4)(K/V^γ)dV...(xi) ここでPV^γ=Kとしています。 (xi)の右辺の一つ目の積分は J1-1=∫(RT/V)dV=RTln(V3/V2)=Rx500xln(0.02048/0.01024) =500Rln2...(xii) となります。(xi)の右辺の二つ目の積分は次のようになります。 J1-2=∫(K/V^γ)dV=K(1/(1-γ))[V^(1-γ)](V3→V4)...(xiii) ここでK=P3V3^γ=P4V4^γです。Kを入れると(xiii)は J1-2=(1/(1-5/3)){(P4V4^γ)(V4^(1-γ))-(P3V3^γ)(V3^(1-γ))} =-(3/2)(P4V4-P3V3)=-(3/2)(320R-500R) =(3/2)180R=270R...(xiv) となります。(xii)(xiv)より(xi)は J1=500Rln2+270R...(xv) となります。 次に④→①と①→②の積分の和ですがこれはすでに述べたJ1の計算として同様に行えます。ただし積分の向きが④→①ではV4→V1、①→②ではV1→V2です。計算結果は J2=-320Rln2-270R...(xvi) です。(xv)と(xvi)の代数和は J1+J2=180Rln2...(xvii) です。これが閉曲線内部の正味面積です。 ST図は次のようになります。 1(①→②);等エントロピー=S1、320 K→500 K 2(②→③);500 Kでの等温膨張 3(③→④);等エントロピー=S2、500 K→320 K 4(④→①);320 Kでの等温圧縮 閉曲線の内側の面積は J3=500(S2-S1)+320(S1-S2)=180(S2-S1)...(xviii) となります。ここでΔS=S2-S1は行程2に対応します。ここでの膨張の仕事は W=∫PdV=RT∫(1/V)dV=RTln(V3/V2)=500Rln2...(xix) です。ここは等温過程なので内部エネルギーに変化はなく、ΔU=Q-W=0です。従ってここで気体が受け取る熱は Q=W=500Rln2...(xx) です。温度500 Kで(xx)の熱を可逆的に受け取ったのですからエントロピー変化は ΔS=500Rln2/500=Rln2...(xxi) です。これを(xviii)に代入すると J3=180Rln2...(xxii) となります。これは(xvii)に一致します。 こうしてみるとこの問題においてCvをあからさまに使う必要はなさそうです。 しかし、J1-2の計算(あるいは計算を示していないがJ2-2もそうです)をCvを使ってより簡単にやることはできます。J1-2は断熱膨張で外部になして仕事を計算していることになります。ところで断熱過程ではΔU=Q-Wで、断熱だからQ=0ですからΔU=-Wです。よって内部エネルギー変化の符号を変えたものが外部へなした仕事量となります。そして1 molの理想気体では ΔU=CvΔT です。単原子分子気体ではCv=(3/2)Rであり、 ΔT=320-500=-180 ですから W=-ΔU=(3/2)Rx180=270R...(xxiv) となります。この値は(xiv)に一致しますから、J1-2の計算がより簡単に計算できたことになります。
定容熱容量の値を使っているだけで、定容変化の計算をしているわけではないのです。 だいたい、カルノーサイクルにおいては定容変化はありませんから。
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